・ ページ11
「じゃあ今度は私から質問していい？」
「答えられることならな」
「イルミさんとあんたの関係ってなに？」
「兄弟。俺ゾルディック家の三男なんだ。」
「へぇ……似てない」
「俺親父似なんだよ。で、兄貴は母親似」
どちらに似るかでこんなに変わる物なのか、と少女は感心する。
親父似………か。
目の前の少年の兄から少女は家の事を殆ど聞かされていないが、恐らくこの銀髪の少年はかなりの有望株なのだろう。と、すぐ横の死体を一瞥して納得していた。
「お前の師匠って殺しやってるんだろ？」
「うん、そうなるのかな。」
「…お前ってさ、殺す事ってどう思う？」
人を殺したばかりの人間から出てきた言葉とは思えず、少女は目をぱちくりさせる。
問いかけてきた少年の揺らぐ瞳を見て、少女は悟った。
…なるほどね、此奴は人殺しなんてしたくないのか
「いや、やっぱいいや。変な事聞いたな」
「ううん 大丈夫」
「じゃあさ、歳いくつ？」
「9」
「なんだ、同じくらいじゃん。」
そこまで言って言葉を詰まらせる少年。そんな様子を少女は首を傾げ、続きの言葉を待っていた。
「……なあ、俺と友達に」
『なってよ』
そう言い終わる前に、少年の視界から少女は消えた。いや、正確には消えたのでは無く、
「探したよ、キル」
それを抱きとめた少年の兄、イルミ。しかし少女を気絶させたのもまた彼であった。
「……兄貴」
「まさかコイツと一緒に居るとは思わなかったよ。」
そう言いながら少女を壁際へ寝かせる兄の姿に、少年は驚きを隠せなかった。
(…やっぱり只の知り合いなんかじゃねえ)
自身と関わった、何しろ殺した所を見られた人間は口止めに殺す。それが少年の知る兄の姿だった。
それが今目の前では、気絶で済ませ、挙句優しく抱きとめ寝かせたという光景が広がっている
「なんだい？そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔をして。」
「…兄貴、そいつ兄貴のなんなんだ？」
「ああ、これ？」
少年の兄は顎に手を当て満月を見上げるように考え込む。思い浮かぶどの言葉にも当てはまらない少女は、自身にとって一体何だろうか。
「……知り合い、かな」
「…そうかよ」
少年と同じ返答をする自身の兄に半ば呆れたような少年。しかしそんな気の緩みはほんの一瞬の事であった。
「それで、友達がなんだって？ キル。」
少年は額に流れる汗を感じていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かぴばら2(プロフ) - キースさん» 結構量あるのに…！！ありがとうございます！これからもご期待に添えられるように精進します！！ (2020年12月27日 0時) (
レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
キース - あえてこちらにコメントさせて貰いました！かぴばらさんが更新されているところまで読ませていただきました！とっってもタイプです！ずっと応援してます！頑張れ！(￣▽￣)ゞ (2020年12月25日 23時) (レス) id: 7e1a44873b (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - キースさん» キャラも世界観も話の内容もめちゃくちゃ良いですよね！！あの作品は人生のバイブルです…。応援ありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2020年12月25日 22時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
キース - 気付いて下さった......!実は私も大好きな漫画なんですよ( ﾉ^ω^)ﾉ応援してますよ~!! (2020年12月24日 18時) (レス) id: 7e1a44873b (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - キースさん» コメント今気付きました！遅れて申し訳ないです！ば、バレてしまいましたね…！私の人生にモロ影響与えた漫画なので使わせてぇなと思ったのが3年前です…。ぶっちゃけまずいと思った時には後に引けなくなってしまいました…ﾄﾎﾎ (2020年12月23日 19時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぴばら x他1人 | 作成日時：2018年5月5日 0時
