梅雨と紫陽花 ページ20
.
A「綺麗……」
濱「え？この傘？」
A「紫陽花、好きなんです。」
濱「でも男子高校が紫陽花柄の傘持ってんのはキツイやろ。」
A「いや、先輩似合いますよ！」
ほんと、先輩って紫陽花みたい。
雨女のうちからしたら、先輩は紫陽花。
梅雨やと気分が落ち込むけど、紫陽花が見れると嬉しい。
似合う似合う！と褒めると嬉しそうに
「そうか〜！」
なんて言うて傘をクルクルし出した。
好き。
このまま勢いで言うてしまいそう。
濱「たまには雨もええもんやな〜……」
A「そうですか？うちは雨は嫌いやな。」
濱「だってなんか普段より色々深く考えられるやん？」
A「深く考えすぎて落ち込みます。」
濱「水上は意外とネガティブなんやなぁ(笑)」
A「意外ですか？うち、ジメジメしてますよ、梅雨女です。」
濱「梅雨女って(笑)でも俺は梅雨も嫌いやないよ。」
A「え〜ほんとですか？」
濱「こうして水上と二人で帰れるし……」
先輩は、こちらを見ずに言った。
なにそれ、
そんなの、
勘違いしますよ？
今日で、先輩を好きでいるのはやめるのに。
今更、
期待させないで……
A「先輩…………………………」
流「……おい！」
A「……流星！？」
傘もささずに、ビショビショの流星が走ってきた。
濱「……………………」
流「はぁ……これ……Aの傘やろ……」
流星は私が失くしたと思ってた折りたたみを持っていた。
A「そうやけど……わざわざそのために？」
流「いや……まあ……」
A「この傘もってきたならこれさせば良かったやん、アホやなぁ、もう……」
カバンからタオルを出して流星の頭を拭く。
背が高いから大変や。
濱「じゃ、俺は帰るわ。」
A「え、あ、……」
ちょっとだけ、うちと流星の間に割って入ってくれるんやないかなんて、期待した。
やっぱり、うちの勘違いやったんや。
A「また……明日！！！！」
精一杯の、最後の言葉。
濱「……またな。」
と、先輩は寂しそうに笑う。
なんで先輩が寂しそうなんですか？
なんて、聞けないまま。
次の日、
花ちゃん先輩と濱田先輩が一緒に帰る後ろ姿を見て
恋の終わりを、実感するのでした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 116人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一波(プロフ) - ほんまに全てが美しいお話やなって短編映画を観ているみたいでした(^^)出逢えてよかったです!これからもずっとずっと大好きです!応援してます(^^)お話楽しみにしてますね! (2017年10月30日 10時) (携帯から) (
レス) id: b00addc009 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 切ないもののが美しいんですよね､皮肉なことに笑多分､このお話は一生忘れへんと思います(^^)題名の紫陽花も濱ちゃん流星のんちゃんのみんなの色が入っていて､季節も梅雨で｡ (2017年10月30日 10時) (携帯から) (レス) id: b00addc009 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - happyやない訳で…なんや恋って両想いって奇跡なんやなぁと思いました｡私が10年以上前に読んだ今も大好きで大切なお話にもこのお話と少し似たものがあって､それを思い出しました(´・ω・｀)happyendよりも切ない終わり方のがずっと心に残るし (2017年10月30日 10時) (携帯から) (レス) id: b00addc009 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - のんちゃんのから来ましたぁ(T∧T)もう､ﾔﾊﾞいっす!朝から切ないぃー(T∩T)濱ちゃんとくっついてhappyendがいいって思ったしそうなるんやろうなぁーって思ってて…でも､濱ちゃんとくっついても流星と花ちゃん先輩にとっては (2017年10月30日 10時) (携帯から) (レス) id: b00addc009 (このIDを非表示/違反報告)
メメ(プロフ) - ひまぽんさん» コメントありがとうございます！遅くなり申し訳ありません…！皆さんの期待を裏切る形になってしまったらどうしようかと思っていたので、素敵な話だと言って頂いて本当に嬉しいです（ ; ; ）ありがとうございます（ ; ; ） (2017年4月7日 14時) (レス) id: db9b5e37ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：メメ | 作成日時：2016年12月3日 0時
