儚 。２ 【 短編集 】

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もうどうする事も出来ないこの気持ちを
1人で抱え込むのは辛くて

そっと目の前にいる大貴のジャケットの裾を握る







そんな僕に気づいた大貴は小さな笑みを零すと

ジャケットを掴んでいた僕の手を優しく包む様に
そっと手を添えてくれた






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また涙で潤みそうな瞳を大貴が一度捉えたら

逸らさない 。僕はもう、逸らせない 。








『 … 侑李 、お待たせ 。


あの交通事故にあった時に担当して貰ってた医師に
記憶の事 。全部 、聞いたよ




船が好きな男の子は侑李だったんだな 』





僕の手に添えられていた手は
いつの間にか力が入って僕の手を握っていて

空いた片方の手でポケットから
いつかの日の様なキラキラした金色の船を取り出す








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『 この船で 、海に沈んだ侑李を迎えにきたよ



沢山 、待たせてごめん 。

その間辛い思いさせすぎたよな








俺 、記憶が無くなる前から好きだよ侑李のこと 。


昔の記憶がなくなっても
俺はまた 、侑李に恋をしたんだ 』

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