オーケー無理です。壱。【ジョジョ】【○○しないと出られない部屋】

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　ひたすらに額を撫でていた手を、頬に移動させる。その肌を堪能するように撫で回し、最後に首を軽くなぞった。「ひ、ぅ」と声が出たのでバツが悪そうにするAの顔を見て、目を細める。





　「─────可愛い、ね」





　ふにゃりと微笑む。

　今の言葉は、嘘でもお世辞でもない。紛れもない本心だった。



　本当は独り言のつもりで呟いたのに、側に人がいたから返されたんで独り言じゃなくなった……それと似ているようだった。



　「……は？」

　真っ赤になってるであろう自身の顔。何でなのかは分からなかった。堪らず隠そうとしたが、その前に扉が出現していたらしい。なるべく己の姿を見せないようにしながら、ガバリと起き上がる。さっさと出てしまおうと、扉に急いだ。



　「……あ、名前は？」

　「Aだよ……！？」

　「キレ気味だね。僕はジョニィ・ジョースター。気軽にジョジョって呼んでくれていいから」

　「呼ぶわけねぇだろバーカ！！」



　怒りながらドアノブに手をかけ出る姿を見て、クスリと笑う。


　…少し後、壁に貼られていた紙がピラリと剥がれ落ちた。二人は既にドアの向こうで閉められてしまったので知らない。「膝枕をしろ」の文字の裏面に、表面のものとは違う文字が書かれている。





　「赤面しろ」………らしい。




　何故変わったのか、分からない。

　二人は変わったことすら、知らない。




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