検索窓
今日:12 hit、昨日:5 hit、合計:17,390 hit

7話 ページ8

「哀れな鬼を斬らなくても済む方法があるなら、
考え続けなければ。
姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やすことなく…」
最後の方は声が涙で滲んでいる。


「竈門さんは姉に似ている」
「えっ?」
「優しい笑顔とか雰囲気が、似ているんですよ」


私も弟や妹がいるからだろうか。
雰囲気が似ているのは。


「姉は"柱"だったんです。
柱というのは鬼殺隊最高位の人たち。
鬼殺隊で最強と呼ばれる剣士です」


「私はまだ丁。柱とは程遠い階級なんです。
でも、私もいつか柱となって鬼を倒す」


「胡蝶さん……」
強い怒りと哀しみ。
そして大きな覚悟を持つ胡蝶さんに
なんて言っていいか分からなかった。
壮絶な過去を持つ胡蝶さんにどう寄り添えばいいのか
分からなかった。


だから、黙って頭を撫でる。
頑張ってるねという気持ちを込めて。


「胡蝶さんは、ずっと、ずーっと、頑張ってるんですね。
姉の願いを叶えようと、柱になろうと。
それで色々な感情がこんがらがってしまっている」


「泣きたい時は泣いていいんです。
怒りたい時は怒っていいんです。
笑いたい時は笑えばいいんです。
胡蝶さんはお姉さんのように振る舞うことで
自分の感情を安定させようとしたんでしょうね」


「でもね、胡蝶さん。
胡蝶さんは胡蝶さんらしく生きればいいんです。
そうすれば、おのずと道は開ける。
私はそう思います」













「しのぶ」
ふと、胡蝶さんが呟く。
「えっ?」
「しのぶって呼んでください」
下の名前で呼んでほしいという胡蝶さん。


「うーん。しのぶさん?」
「"さん"はいりません」


……でも、私よりも年上だろうし。


「しのぶさんって15歳か16歳でしょう?
私はまだ12ですし」
「確かに私は16歳ですが、歳なんて関係ないですよ」
そうは言われても……。


「しのぶさんじゃ駄目ですか?」
「……分かりました。今はそれでいいです」


今は…?


「時間がある時はここに来ますから」
「あの、私はいつもここにいる訳ではないんです。
家は胡蝶…しのぶさんが倒れてたあの山のもっと
上の方にあって。ここに泊まる日と家に帰る日があって」


「では、ここに来た時にいなければ、山を登りますね」
楽しげに弾んだ声で笑顔でしのぶさんは
そんな事を言う。
今の笑顔は本当に楽しそうで、ホッとする。


「分かりました。では、楽しみに待ってますね」

8話→←6話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
138人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門家
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

愛っち(プロフ) - さなえさん» ありがとうございます‼️とても嬉しいです〜✨✨これからも更新頑張ってください😆 (2023年3月10日 20時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - 双子妹のイラストを描きました✨是非みてください‼️掲載したい時は、(やり方)画像マークを押す→みんなの素材をクリック→新着の順番にクリックすると、画像が出て来ます。イラストは題名付きで載ってますので、どうぞ見てくださいね😉 (2023年3月6日 22時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - 読んでみて、とてもいい作品ですね。お気に入り登録しましたので、これからも更新頑張ってくださいね✨応援してます〜‼️ (2023年3月6日 19時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さなえ | 作成日時:2023年2月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。