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6話 ページ7

「すみません。もう、大丈夫です」
暫く泣いていた胡蝶さんは涙声でそう言った。
「お水でも、持ってきましょうか?」
「お願いします」


胡蝶さんを悲しませた原因は何なのだろう。
お水を取りに行きながら考える。
あんなに大泣きするほどだ。
一体、どれだけの悲しみを抱えて生きてきたんだろう。


「どうぞ、お水です。
それと目元を冷やすためのお水と布です」
「あ、ありがとうございます」


胡蝶さんから目を背けて、窓の外を見つめる。




「あの、私の刀を知りませんか?」
暫くして、胡蝶さんがそう尋ねてきた。
刀?あ、胡蝶さんを見つけた時、
彼女が腰に下げていたあの刀のことだろう。


「刀ならそこに」
部屋の隅を指差す。
そこには壁に立て掛けられた刀がある。


「……どうして刀を持っていた私を
助けてくれたんですか?」
怪しい人だと思わなかったのかと尋ねる彼女。
「刀を持ってる事には驚きましたよ。
何者なんだろうと。
でも、怪我をしていたから治療をした。
ただ、それだけです」


「そうですか。
……刀のことや私のことについて話します」
少し固い声で胡蝶さんは語り出す。


「私は鬼殺隊です」
「きさつたい…?」
「はい。信じられないかもしれませんが、
"鬼"と呼ばれる異形のものを狩ること。
それが私のお仕事です」


「鬼は頸を斬ることで倒せます。
ですが、日輪刀と呼ばれる刀でしか倒す事は出来ません。
私は腕力がないので、鬼の頸を斬る事が出来ないので
毒で倒します」


「鬼……。鬼と戦うのって危険じゃないんですか?
死と隣り合わせなんじゃ……」
「ええ。弱い者は鬼に殺されます。
でも、死ぬ可能性が高くても、それでも鬼を倒したい。
そう思っている人達が鬼殺隊に入るんです」


鬼殺隊。鬼を倒す組織。鬼を憎む人達が入る組織。
胡蝶さんも鬼に、誰か、かけがえのない大切な人を
殺されたのかもしれない。


「私は……子供の頃に両親を鬼に殺された。
その時から、私は鬼を憎く思いました。
私には姉がいたんですが、
その姉と私は鬼殺隊の方に助けてもらったんです。
姉と私は鬼殺隊に入隊したんですが……
その姉も……二年前に………鬼に殺された!!」


「姉は、優しい人だった。
鬼に同情していた。姉の夢は鬼と仲良くすること。
私はそんな風には思えなかった。
鬼が可哀想とは思えなかった……。
でも、それが姉の想いだったなら、私が継がなければ」


胡蝶さんは姉を失った悲しみと姉の願いを
背負って生きている。

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愛っち(プロフ) - さなえさん» ありがとうございます‼️とても嬉しいです〜✨✨これからも更新頑張ってください😆 (2023年3月10日 20時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - 双子妹のイラストを描きました✨是非みてください‼️掲載したい時は、(やり方)画像マークを押す→みんなの素材をクリック→新着の順番にクリックすると、画像が出て来ます。イラストは題名付きで載ってますので、どうぞ見てくださいね😉 (2023年3月6日 22時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)
愛っち(プロフ) - 読んでみて、とてもいい作品ですね。お気に入り登録しましたので、これからも更新頑張ってくださいね✨応援してます〜‼️ (2023年3月6日 19時) (レス) id: d531dd11f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さなえ | 作成日時:2023年2月11日 22時

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