坂道 短編集 part3

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そのままフラフラして

家に帰った頃には日付が変わりかけていた


スマホを開けば大量の不在着信とメッセージ


こんなの開かなくたって理佐からだってわかる

だけど中にはひかるからの連絡もあって

"ごめんね"とだけ返信する


するとすぐに返信がきて


"無事なんですね？"


"うん、全然平気"


"それなら良かったです"


"理佐には言わないでほしい"


"了解です、何かあったらうち来てくださいね"


"ごめんね、ありがとう"


なんて出来た後輩だ


とにかく今は会いたくない


寝てて欲しい


だけどそんな願いも叶わず



ガチャ


「ただいま」



そう言うとパチッと着いた電気



理佐「遅い」



私が見るに今までで1番怒ってる理佐

そうだよね、連絡しない上にこんな時間に帰ったことないもんね


そうだとしてもこっちだって怒ってるし、今にも涙が溢れ出そう

涙を必死に耐えるために強がったセリフを返す



「理佐には関係ない」


理佐「は？関係ない？どの辺が？あるに決まってんじゃん」


「ない」


理佐「ある」


「ないってば、！！」


理佐「あるよ！！」


「しつこいよ」


理佐「そりゃしつこくもなるよ。今何時かわかってる？」


「めんどくさい」


理佐「なにその態度、今まで何してたの？」


「理佐こそ、何してたの？」


理佐「私の話は今関係ない」



その一言でプチッと私の中で何かが切れた



「最低。もういいよ、ほっといて」


涙が溢れそうになるのを必死に隠して寝室へ向かう


理佐「ねえまだ話終わってない」


パッと掴まれた私の右手


「はなして、1人になりたい」


もう涙をこらえるのに限界でそう言って手を振放すと


理佐「待って」


と抱きしめられた


「やめてっ、触らないでっ、」


どういう気持ちで今私を抱きしめてるんだろか

ああ、さっきの人にも同じことしたんだろうな

今までの行動全て私だけに向けられたものじゃないって事が思い知らされて鼻の奥がツーンとした


理佐の肩を押して無理矢理腕の中から抜け出す


「本気でやめて。私以外にもそうやって同じことしてるんでしょ？

もう私の事なんてほっといてよ」


これが最後の抵抗だった


何か言ってる理佐を背に寝室に入る

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