坂道 短編集 part3

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1人で大丈夫なの？と心配していた母も理佐の名前を出せば行ってらっしゃいと優しく送り出してくれた


電車の中は標準語しか聞こえない


電車に揺られながら理佐の住所までの行き方を調べる


初めて行く理佐の家にワクワクする一方、何も言わずに押しかけて迷惑じゃないかなという不安も込み上げてくる


いくつもの電車を乗り換えて、Siriに道を聞きながら進むとさっきスマホで見たアパートと同じ建物に着いた


「着いた、」


顔をパンパンと叩いてからインターホンを押す


ピーンポーン


すると中から「はーい」と言う声が聞こえた


ガチャ


理佐「え、A？」


「理佐、」


久しぶりに会った理佐はやっぱり顔が赤くてフラフラの状態だった

そんな理佐を見るとなにも言葉が出てこなくて私は理佐に抱きついた

私の目からは涙が溢れ出る


理佐「え？どうして？え？」


状況が掴めてない理佐


理佐「Aだよね？本物だよね？」


「うん」


理佐「えっと、とりあえず中入りな」


「、お邪魔します」


理佐「汚くてごめん」


汚いなんて言うけど全く気にならない

むしろ私の部屋よりキレイ


本棚にはテキストや資料、机の上にはたくさんのプリント

私も頑張らなきゃな


理佐「あ、適当に座ってていいよ

ココアでいい？」


「ううん、大丈夫ありがとう

だから理佐は寝てて？」


理佐「え？」


「私が看病するから」


理佐「…わざわざ来てくれたの？」


「だって、私彼女だもん」


理佐「ふふ、ありがと嬉しい」


いつもよりふにゃっと笑った理佐に抱きしめられる



理佐「でも、来るときは言って？

そしたらいつでも迎えに行くから」


鼻声で叱られたけど、寂しさ我慢しないといけないほど未来は先なの？


理佐「1人じゃ危ないよ可愛いんだから」


そして頭をぽんぽんされる


いつも理佐からキスしてくれるのに今日はしてくれない


だから私からキスしようとする

でも手で口を覆われた


理佐「キスしないよ」


「なんで」


理佐「風邪伝染るからだーめ」


「…いいもん」


私は理佐に背伸びして強引にキスをした


理佐「…いつそんなの学んだの、」


理佐を見るとさっきよりも顔が赤かった


…

「じゃあ帰るね、」


理佐「送る」


「大丈夫だって笑」


理佐「ん。Aありがとね」


「ねぇ、理佐

私理佐と同じ大学目指す」


理佐「うんじゃあもうちょっと広い部屋用意して待ってる」



青空どこか違う

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