坂道 短編集 part3

強がり 渡邉理佐 ページ22

あなた 櫻坂1期生

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理佐side


卒業コンサートも無事終わり家でゆっくりしていると


ピコンっ


美波から1つの動画が送られてきた


その動画を開くと私の恋人であるAが体育座りをしたまま目を真っ赤にして泣いていた

何事かと思い眉間に皺を寄せスマホの画面を覗く



小池『どうしたんでちゅかAちゃ〜ん』


『赤ちゃん扱いしないでっ』


小池『ふふ、どしたん笑』


『りさ卒業しちゃったっ、理佐がいない、、寂しい、』



嬉しくて思わず口角が上がる


Aは卒業の相談をしても、発表をしても、卒コンが終わっても『おめでとう。これからもずっと理佐の味方だよ』と言ってくれて、涙は一切私に見せなかった


その代わりお風呂で静かに涙を流していたことは何となく知っている



小池『ほんま可愛ええなあ』


『あー、！撮ってるっ、もう、美波やだっ』



カメラに気づいて膝に顔を埋めるAが可愛くて可愛くて密かに動画を保存する


動画を見終えた頃美波から電話がかかってきた



理佐「もしもーし」


小池『もしもし、なんか久しぶりやなぁ笑』


理佐「えー？まだ2週間だよ？笑」


小池『理佐も寂しいんやろ〜？笑

あ、それで理佐、お宅のAちゃんどうにかしてくれへん？』


理佐「んー？笑」


小池『誰が慰めても理佐がいいしか言わへん』


理佐「そっか、、でもAから寂しいなんて初めて聞いた」


小池『理佐が卒業発表したときA絶対理佐の前では寂しいって言わないって誓ってたで』


理佐「そうなんだ、」


小池『強がってたところもあるかもしれないけど理佐に心配かけたくなかったんやろなあ』


なるほど、


Aの優しさに鼻の奥がツーンとした




理佐「わかった、電話してみる」

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