12 ページ12
インターホンを押すのをためらってしまった。
『ヌナが好きなんです俺』
あの日から連絡もとってなければ顔も見てないこと、ここまで来たのに逃げ出したくなってしまった。
でも苦しんでるジョングクをほっとくなんて私にできるはずがなくて
「…よし、」
インターホンに手を伸ばしてそのまま押す。
大丈夫かなジョングク。ここまで来れるのかなって心配してたら、ゆっくりドアが開いた。
そしてそのまま
JK「ヌ、ナ」
丸い瞳と目が合う。
「グギ大丈夫？今日はヌナが面倒みるから、はい、ベット戻って」
顔色がすごく悪いジョングクを目の前に、心配で気まずい感情なんてなかった。
むしろ私はジョングクのヌナなんだから、しっかり面倒見てあげなきゃって。
JK「ヌナ…ジニヒョンが来るんじゃなかったの？」
「そんなのいいから早く横になって」
JK「んんージニヒョン、」
「そんなにソクジニオッパがよかった？」
JK「そんなことない、けど」
ジョングクは少し気まずいのかも。私はジョングクの目を見てるのに、ジョングクは私の目を見ていない。
「ほら、ちゃんと布団被って」
JK「暑い」
「クーラーも当たってるじゃん！熱治んないから！」
JK「うる、さい」
「熱出しても生意気じゃん。ほら、ヌナの言うこと聞いて」
生意気ジョングクに私は負けないけどね。
「薬買ってきたから、ご飯食べてから飲もうね？」
JK「ん、食欲ない」
「超美味しいお粥作るから楽しみにしてて」
JK「ヌナ」
「ん？」
JK「アイスは、ない？」
とろとろしたジョングクの瞳が私を捉えて
「んふふ、ハーゲンダッツ」
ふにゃっと笑った。
JK「よくできました、ヌナ」
こんな優しい声なんだ、ジョングクって。いつもツンツンしてるのが嘘みたいに。
「覚えてるよちゃんと。アイス食べまくって熱治したって」
JK「まだ若いねヌナ〜ずいぶん前の話なのに」
「アイムソーリー私、永遠のハタチなの」
JK「早くお粥作って」
「ははっ生意気小僧よ、かしこまりました」
やっぱり可愛いなって
『ヌナが好きなんです俺』
可愛い弟みたいな存在。
『ヌナが好きなんです俺』
本人を目の前に何度も頭の中でリピートされるのをかき消して
「よーし！超美味いの作ってやる」
相変わらず生活感のない静かな空間の中で、野菜を切る音だけが響く。
ジョングクが私を見てるなんて知らないふりをして。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷに子(プロフ) - 二足歩行のアザラシ様！コメントありがとうございます。作者のさななん(ぷに子)です！長らく更新できずすみませんでした（泣）そして皆様優しすぎてラブです、、、更新頑張りますね！元気でました！本当にありがとうございます（泣） (2021年4月5日 17時) (
レス) id: 898c33edea (このIDを非表示/違反報告)
二足歩行のアザラシ(プロフ) - 久しぶりの更新に歓喜！！頑張ってください！！！ (2021年4月5日 15時) (レス) id: 56c49b1c87 (このIDを非表示/違反報告)
ぷに子(プロフ) - 蘭様！コメントありがとうございます。作者のさななん(ぷに子)です！長らく更新できずにすみませんでした（泣）更新頑張りますね！宜しくお願いいたします^_^ (2021年4月4日 22時) (レス) id: 898c33edea (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - この作品好きなので凄く嬉しいです！更新頑張ってください。 (2021年4月4日 22時) (レス) id: bb25e46ff0 (このIDを非表示/違反報告)
さななん(プロフ) - 萌さん» あっ（笑）ありがとうございます！なおします！！ (2019年6月11日 23時) (レス) id: 90d01b9925 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さななん(ぷに子) x他2人 | 作成日時：2019年5月19日 23時
