漆黒と純白【黄橙赤】 (ページ4)

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昨日はいつもよりは優しかった。

タバコもカミソリも出てこなかったし、ただ俺の名前を何度も優しく囁いて抱いてくれた。

たまにあるこういう亮の笑顔が大好きで、いつもの亮がどんなに怖くてもただ黙って頷いて言うことを聞いてしまう。

亮は俺のことを年上なのに亮ってよばせるし、俺のこと、すばるくんって呼ぶ。

なんか、俺のことを亮って呼ぶのはすばるくんだけでええねん、って言ってた。

正直呼び方なんかどうでもいいし、いつもあの人に会うと早く抱いてほしいという欲が勝るからそんなんどうでもいいやん、って言う。

亮と居るときの酸素はさんそになる。

空気は空気のままだけど、無くては死んでしまう酸素は平仮名になる。

堅苦しい漢字なんかとんでもなく、24画もあるものなんかじゃなくて、5画で済むような、単純なもの。

つまり、無くてはならないけど、消えてしまいそうで、丸か四角かでいうと丸なんやけど、丸みたいに転がりはせず、でもずっと回ってる。

この感覚はいくら説明してもわかんないやろうなって思う。

この人のこと好きになってはいけないんだと思うし、この恋も終わらせるべきなんだろうなとも思うんやけど、なんか出来へんねん。

多分、俺、愛って名前の麻薬にとりつかれてん。

この世で最も中毒性のあるヘロインなんかよりももっとはまったら抜けない愛ってクスリに。

で、めちゃくちゃ辛いけど

めちゃくちゃ幸せやねん今俺。