漆黒と純白【黄橙赤】 (ページ14)

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急いで帰ったつもりなのに

頑張ったのに

亮はなぜか知っていて

でも笑ってて

怖い。

「すばるくん、どこいっとったん？」

「別に」

この言葉をいったら亮は変わった。

俺を玄関の扉に叩きつけて殴られると思って目をつむれば俺の足元にうずくまって泣き出した。

ごめん、ごめん、なんて言いながら泣くから悲しくて。

もう罪悪感しかなくて。

彼がしていることは犯罪なんだとわかっていても、あぁ、俺は彼を、亮を愛してしまったんだなって。だったら愛って何だとおもう見たいなくそ質問に返すんではなくてただ単にこの目の前の８つ年が離れた可哀想な恋人を愛してあげるべきなんだなって。

人なんかどうでもいいから、彼は俺しかいないんだなって。

人間って自分が一番大切なものに傷をつけるんだなって分かった。
俺は亮から離れるつもりはないけど、亮の場合は別だけど、愛する人が離れてから後悔するんだなって。

暴力と愛が同じならば俺は黙って愛されようと思う。

いや、思うじゃなくて愛されるべきなんだと思う。

亮は優しいから俺を愛してくれるからこんなことするって分かってるから。

俺は黙って愛されるべきなんだと何回でもおもうし苦でもない。