【第五人格】箱に閉じ込められた... (ページ19)

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写真家(月下の紳士)の場合ページ19

狼男...とはどういうものなのだろうか

些か私が考えるような話題ではない。

満月の夜に狼になるアレだ。

ソレが今私の目の前にいる

目を覚ましたタイミングは幸運にも同時だった

「Aさんまた会えて嬉しいよ」

ジョゼフがこういうのもおかしくはない何故かと言うと朝に1度ランクマで出会ってしまったのだ。

だが、会えた場所に問題があり実にここが箱の中...そして二人っきりということだ

『ええ...そうですね、ジョゼフ』

この紳士たるものの行いやら立ち振る舞いやら私は少しばかり苦手なのだ。

「今日は満月でしたね。」

まるでそこに満天の星空があるかのような見上げ方をする。非常に演技派なのだ彼は。

『ええ、何かお困りでも？』

知っているはずなのに聞いてしまう私も馬鹿らしい。

「知っているではないですか。」

胸に手を当てて目を伏せながら言う彼

『ジョゼフ...私はこの箱から出たいのです』

「いやはや、それは嘘で？」

『...』

「...」

『あなたに嘘はつけませんネ』

髪を耳にかけながら言う

「だって私も貴方と同じ気持ちですから」

ふふふと笑う

『二人きりになれたのは何時ぶりだったかしら』

真っ青な瞳を見つめる奥の瞳孔が開いた

「ここ近くないかと」

お互いに出番の多くなってきたゲームで最近ろくに遊べてないしなんなら会ってもいないのだ。

「ゲームで会えてもそれはお遊びですから。」

腰を引き寄せられジョゼフの胸板に耳を押し付ける

心臓の音は聞こえなかった。

「今夜、予定がないのなら私の部屋に来ませんか？」

『試しているのですか？』

顔を上げて顔を近づける

「いえいえ、単純なお誘いですよ」

次はジョゼフから近づけてくる鼻と鼻がぶつかる

『喜んで』

狼には気をつけて。特に満月の夜には。

耳元で彼はそう囁いた

数分後花火師による花火によって箱は壊されたのであった