米花町の引っ込み思案な女の子 (ページ6)

今日:2,529 hit、昨日:1,072 hit、合計:108,367 hit

ありがとうページ6

･

「安室さん…！」

「誰だか知らねえが、早く鍵を渡せ！」

切羽詰まったように言う男に怖気付くことなくニコリと笑いかけた安室

「まずは子供です。その子を解放してあげてください、怪我をしていますよ」

「あ゛ぁ？はっ、鍵が先だ！じゃねぇと、コイツがどうなっても…！」

「安室さんしゃがんで！！！」

Aの首に一つ、また一つと傷が増える中、突然コナンが大きな声で安室を呼んだ

それを合図に素早くかがんだ安室。

その上を何かが勢い良く通り過ぎ、安室を見つめる男の頭にヒットした

「う゛がぁ…っ」

「よっと…！大丈夫かい、Aちゃん」

男の腕から開放されたAがそのままの勢いでよろけたところを安室に抱き止められた

ジッと安室を見つめた彼女の目に大きく涙が溜まり始め、段々と口元がキツく結ばれていくのが分かった

「助けるのが遅くてごめんね。もう大丈夫だよ」

それを見た安室がそっとAを抱きしめて背中をポンポンと優しく撫で下ろした

「うぐぅ゛…助けてくれて、っありがと、う」

時折しゃっくりをあげながら安室のティシャツを握りしめる少女に周りの大人は胸が痛くなった

自分達は何をしていたのだろうと。

「間一髪だったぜ…」

「ったく、犯人を追い詰めるのもいいけど彼女を巻き込むのは辞めなさいよ。小嶋さん達とは訳が違うのよ」

「わーってるよ。怪我もさせちまったし、とりあえず病院に連れてかねーとな。」

一件落着で安堵の表情を見せるコナン

その後、Aと話す彼らの元に行った

「Aちゃんかっこよかったよ！」

「これで少年探偵団の大手柄だぜ！」

「こら。彼女は怖い思いをしたんだから」

「おい、オメェら！！！」

苦笑いでなだめようとした安室を遮るように大声で叫んだコナンに、ギクッと三人の肩がすくんだ

「待ってろっつただろ！今回は無事に終わったけど怪我をしたのはオメェらじゃねぇんだぞ！！危うくAちゃんが大怪我する所だったんだ。」

珍しく大きく怒るコナンに、三人の目にも微かに涙が溜まった

「ごめんなさぁい…」

「Aちゃん、首はまだ痛む？」

心配そうに自分の首を見つめる安室にブンブンと横に振ったA

「それなら良かった。念の為、病院に行こうね」

その言葉に顔色が変わったA

「い、行かない！！いや！！」