米花町の引っ込み思案な女の子 (ページ13)

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おとうさん！ページ13

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「あ、はは…Aちゃん…」

盛大に口を引き攣らせて目線を泳がせたコナン

Aはそんなコナンに気づいているのか気づいていないのかトトトっと傍に寄ってきてジッとコナンを見つめた

沖矢もその様子を見守るだけだった

「帰らないの？A、帰り方分からないの」

「あ、うん。ちょっと忘れ物取りに行ってたんだ。じゃあ、行こっか」

あからさまにホッとした顔のコナンがAの手を引いて今度こそ沖矢邸をあとにした

「ふむ。流川…か。調べてみる価値はありそうだな」

「コナンくん、どうしてさっきお母さんとお父さんのこと聞いたの？」

「そ、それはー…気になったからだよ！どんな人なのかなーって！」

「そっかぁ。」

焦るコナンの気持ちも知らずにポケーっと空を見ながら歩いている

「あ！」

「ど、どうしたの？」

突然大声を出したAにドキッとしながら振り向いたコナン

「コナンくん、お父さんに会いたいんでしょ？」

今日お家にいるよ！と元気よく言ったA

その言葉に唖然としたコナンだが、こんなにも良いチャンスは無いと喜んで返事をした

ルンルンと前を歩くAを横目にスマホでこっそりと安室へメールを送る

出来れば黒と確定された母親と接触したかったがグレーの父親でも何かしらの収穫はあるはずだ。

言葉通りごくりと唾を飲んだ

――――――

「ここがAのお家！お友達が来たってお父さんに言ってるからちょっと待っててね」

「うん、ありがとう」

丁寧に靴を揃えたAは活発にリビングに続くであろう廊下をかけて行った

ぽつんと玄関に残されたコナンはさっそく注意深く玄関を漁る

外見はただの一戸建て。パッと見怪しさは感じなかったが一つだけ違和感があった

それは庭を覆い隠すように家の周りを囲んだ背丈の大きい樹木

覗こうと思っても覗く隙間すらないのだ。

が、逆にそこ以外不自然な所が無いため浮き彫りになっているだけもしれない

トトト…と聞き覚えのある可愛らしい足音がコナンの耳に届いた

パッと振り向くと予想通りAの姿

「お父さん、コナンくんだよ！」

「あ、初めま」

「君がコナンくんかい？娘から話は聞いてるよ！いらっしゃ…あでっ。小指が…！！」

「へ？」

コナンの想像とは対角線上にいるような人だった。