米花町の引っ込み思案な女の子 (ページ12)

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おじゃましますページ12

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「あ、えっと私は…ぶぇっ」

「…今のくしゃみ？」

話の最中に顔を歪めたAが体を大きく動かしながらくしゃみをした

半ば呆れたような顔のコナンがやれやれとポケットティッシュを渡している様子を見て微笑んだ沖矢

「気遣いが足りずすみません。まだこの季節は冷えますからね、ぜひお茶でもいかがですか？」

「わあ、ありがとう！Aちゃんも行こ！」

「え…！？おわっ」

突然のことに躓きながらも慌ててコナンの後ろを追いかけて行く

玄関に入ってすぐにAは足を止めた

「どうしましたか？」

「大きいからびっくりしたの。」

あまりに子供らしい素直な感想に思わず笑みを零した

同時にこんなにも小さな子が坊や達に“疑われている”のかと

でも小さいといってもいつも驚かされている坊やと同い年だ。そこまで驚くところでは無い。

精神的なことでいうと話は違ってくるが

ふと誰かが覗き込んでいるのに気がついた

「お兄さん、大丈夫？」

「大丈夫ですよ。それと昴で構いません。先程の彼と被ってしまうでしょう？」

「すばるさん？」

頭を傾けながら恐る恐るといった様子で口を開いた彼女の小さな頭をゆるりと撫でた

それから一声かけてコナンのあとを追った

「Aちゃんはさ、お母さんとお父さん好き？」

ついに来たかと思った

少し緊張したように口を引き締めたコナンがAに問いかけた

だが、そんな事を思われているとも彼女は知らずに笑って言った

「うん！お母さんもお父さんも優しいから大好きだよ」

そっか。とコナンは目を伏せて控えめに、どこか辛そうに笑ったのだ

まるで今から人を殺さなければならないと言った顔で。

「二人とも気をつけて帰ってくださいね」

「お、お邪魔しました！」

「また来るね！」

元気に挨拶をしてから先に扉を開けて出たA

「おや、コナンくんは行かないんですか？」

「安室さんから連絡があったんだ。Aちゃんのお母さん、流川冴子さんは“黒”だって」

「なるほど。ならば父親もでしょうか？」

「まだ分かってないけどきっとそうだと…思う」

沖矢は失笑した

「何故君がそんな顔をするんだ」

「もし…これが本当なら俺は、彼女から大切な存在を奪うことになる」

「では見逃しますか？」

「探偵の名にかけてそんなことは出来ない。けど…」

「コナンくん？」