米花町の引っ込み思案な女の子 (ページ11)

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すばるさんページ11

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「ごちそうさまでした」

「たくさん食べてくれて嬉しいよ。お腹いっぱいになったかな？」

「うん！」

一粒も残さずに綺麗にお皿を残したAは満足そうに笑うとジュースを飲み干した

安室が皿を下げに厨房に戻るタイミングでコナンがこっそりと声をかけてきた

「ねぇAちゃん、さっきの眼鏡の人に会いたいんでしょ？ボクその人知ってるから案内しようか？」

「知ってるの？会いたい！」

「じゃあここ出たら行こっか」

突然店を急ぎ出るコナンたちを見て不自然に思ったようだがAがいる手前、詮索は出来なかった

ちなみにお金の計算がまだ上手くできないAを見計らってスマートにお金を出したコナンを見逃さなかった梓だった

「お邪魔しましたー！」

「お、お邪魔しました…！」

「コナンくん…出来る男の子ですね！あれは学校でもモテますよ」

「あはは、確かにあれはかっこよかったですね。」

「わぁ、お、大きなお家…」

「ここがボクの…じゃなくて、眼鏡のお兄さんの家だよ！」

緊張した様子のAの手を引きながら門の前までたどり着いたコナンはインターホンを鳴らした

数秒してから「はい。」と返事が聞こえると、忽ちAの目がキラキラと輝いた

「お兄さんだ…！」

「はい？」

「ボクだよ！昴さんに会わせたい子がいるんだ。今いい？」

「コナンくんでしたか。今行きますから少しお待ちください。」

切る音が聞こえると今か今かと待っているA

「お待ちせしました…おや？そちらがお客さんですか？」

「こんにちは昴さん！そうだよ。Aちゃんほら」

「あ゛っこ、こんにちは…」

コナンに背中を押されて慌てて挨拶をしたがもじもじと俯いてしまった

焦るAを目の前に、しゃがみこむ気配がした

「誰かと思えば先程の子でしたんですね。どうかされましたか？」

彼の言葉に少しの間、目線を右往左往とさせた後に小さな口をゆっくり開いた

「あ、あのね、ジュースありがとう。美味しかった、です。」

目をぱちくりとさせて見ていたが、やがて肩を震わせた

「ふふ、失礼しました。その為にわざわざ来られたのが可愛らしくて。おっと、自己紹介がまだでしたね」

思い出したようにポンと手を叩くと、にこりと胡散臭い笑顔を浮かべた

「沖矢昴と申します。」