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Aは所謂お誕生日席に座った。
目の前にはたくさんのご馳走。初めて見る豪華な光景に思わず口が緩んでしまう。
ut「今Aちゃん笑った！！ちょーかわいい！」
笑ったくらいで失礼な。騒いだ鬱をトントンが抑え食事が始まる。
ご飯は見た目通り美味しかった。さらにたくさんの人と食べられたということもあり、ここまで美味しく感じた食事は初めてだった。
「ありがとう」
sha「え？」
「初めてご飯が楽しく感じた…」
Aは微笑んだ。初めて見せたその姿は吸血鬼達を魅了した。
zm「お、おう！良かったぜ！」
夕食が終わり風呂にも入り、1人で城の中を色々と見て回っていた。
広いな〜なんて見みながら部屋へ戻ろうとした時前を見ていなかったせいで、誰かにぶつかってしまった。
「わっ」
前を見てみるとゾムがいた。長い前髪とフードで目元に影がかかり、少し怖い雰囲気をまとっている。
「ご、めん」
さっさと帰ろうと歩こうとすると腕を掴まれた。
「え」
zm「A。
遊ぼうや！！！」
え？と間抜けな声が出る。怖い見た目だったが、その怖さは見た目だけで、中身は遊ぶことが大好きな青年だった。
「…何すんの？」
zm「鬼ごっこしよーぜ！！俺が鬼な？んじゃ10〜9〜」
やるなんて言ってないんだけどなんて言うがカウントが進んでいくため逃げる。
「風呂入ったばっかりなんだけど」
なんて言っていると遠くから行くよーと叫び声が聞こえる。恐怖。
zm「A〜待ってよ〜〜〜！」
どんどん声が近くなっていく。意外と速い足に走るスピードを上げる。
お前ら廊下で鬼ごっこすな！！とトントンの声が聞こえた2人だが、無視して鬼ごっこを続ける。
何も考えず走っているとよく分からない所へたどり着いてしまった。ゾムの声も聞こえず帰り方が分からなくなり足を止めた。
「あ〜どーしよ」
うーんと悩んでいるところで「タッチ」と肩を触られた。
捕まってしまったが帰れないよりはマシだろう。
「帰り方分からなくなった。」
zm「あーそうだったん？w って…」
ふと一点を見つめたゾム。
zm「お前、これ」
肩を指さし言われた。
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作者名：チンパンジー | 作成日時：2023年1月4日 23時
