031.決意 ページ31
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安元「何してんの?」
OA後、安元は真剣な表情で彼女に問いかける
彼女の顔は一向に変わらなかった
「安元さん、」
安元「またなんか言われた?」
そして、こういったんだ。
「私、正式に事務所を退所することになりました。
脇役なりの最後みたいな感じのカッコイイ退場の仕方ですかね〜、漫画の読みすぎか。笑」
また、綺麗に笑顔を咲かせた彼女に安元は安心する。
彼女の口は、止まらない。
「周りの人のサポートがなきゃ、多分私は堕ちてたかもしれないです、ありがとうございます。」
安元「退所決めたきっかけとかあったの?」
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「俊樹……あっ、増田さんのミサンガがあるので大丈夫です!」
Aは自慢げに若干毛玉の着いたミサンガを
みせびらかした。
安元「でもさ、それもいいと思うけど事実をリスナーさんに話すのが目的なわけで、否定することは無いと思うんだけど」
「否定して陥れたら私も社長と同類になっちゃいますよ。笑」
「フリーは心細いけど大丈夫です」
「この仕事はすごく好きだし」
「安元さんを頼りにしてるので。」
彼女の笑顔に嘘はないはず。
なのにAは涙を流していた。
弧を描くような口元をなぞるように流れる涙に抵抗することなく。
安元はそんな彼女に声をかけることができず、
頭を撫でて、帰っていった。
________その後安元は、浪川大輔の元を訪れていた。
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作者名:にむ | 作成日時:2021年9月8日 13時