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020.顔に出てる ページ20






マネ「あ、増田さん。小宮どこにいるか知らないか」


増田「あ、アイツならいまトイレに。どうかしたんですか?」


マネ「いやっ、君には関係ない。では失礼」








社員もまるでロボットのようだった。
上からの圧力でやらされているのか







……いや、Aのマネージャーに限っては違った。






「すみません戻りました〜、」

増田「あ、マネージャーさん呼んでたよ」

「え?……、うん」





増田がマネージャーと口にすると
あからさまに顔を強ばらせたAはマネージャーの
いる楽屋の扉を開けた






マネ「ったく。おせーな」

「すみません」







明確化した上下関係
崩れなさそうなヒエラルキーに、Aは慣れた様子だ。






マネ「アーティストデビュー。それは会社の株のためだ。わかる?」


「はい。レコーディングは明日ですよね。」


マネ「あぁ今日は酒は控えること。
そしてMV撮影までに5キロ落とすこと」









マネージャー自身、顔色変えずに淡々と簡単そうで難しい言葉を並べていくため

増田も突っかかりそうになったが









マネ「増田くんもさぁ……。仲がいいのはわかるけど週刊誌に撮られるなんて事になったらたまったもんじゃいんだ……。やめてくれよ」









とんだ巻き添えだ。

しかし実際にふたりは大袈裟かもしれないけれど

一夜を共にしている









増田「……すいません」









ややキレ気味の増田はそれだけ言って強めに扉を閉め出ていった。









「マネージャー、仕事に対して熱くなるのは分かります。ですが関係ない人にまで口出しするのはおかしいのでは」



マネ「……、君は言われた通りの仕事をすればいい」



「わたしだってやり甲斐のある仕事をしたい。
作詞だってしたい、……作曲も。

なのに……、なんで会社は邪魔するんですか……」



マネ「……は?」



「私が声優になったのは、古い自分を超えたかったからです。

言いましたよね?現状維持は後退と同じ意味だって。

ならわたしも楽しく仕事をして前を歩いていたいです。」









今まで隠してきた気持ち、感情、怒りを
Aは初めて顕にした。









「曲は……、発表してしまった以上出します。
ですがそれらの資金、売上金、税金を覗いた諸々の詳細。私は知りません。」


マネ「契約書に書いてもらった以上、その意には逆らうまい」


「……は…………」

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作者名:にむ | 作成日時:2021年9月8日 13時

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