019.望まぬ形の。 ページ19
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小宮A @cocchan
この度、小宮Aはアーティストデビューをさせていただく運びとなりました。
誠心誠意、歌声に力を込めた楽曲ばかりですので是非生活のお供にしていただけると嬉しいです。
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安元side
やっぱり少し狂ってた。
__「おれっ……どんなに頑張ってもっ……うぅ……
社長に全てを奪われるんです……っ、」
あの噂のある事務所所属の、
元気ハツラツとした新人の後輩声優でさえ
涙を流しながら、
先輩の前でも耐えきれずに涙を流していたのは鮮明に覚えていた。
宏太朗と増田が背中をさすって、俺が声をかけてあげる
そんなことをしたのも記憶に新しかった。
事実、可愛がっていたこっちゃんも苦しんでいるし
世にいう【ブラック企業】に入るのではないかと不思議に思う、
__「この事務所にいるかぎり、アーティストデビューはしたくないですよ。笑」
あんなことを言っていた最中の出来事。
安元「ヤベェなマジで」
浪川「なになんかあったの?」
夜あそびの打ち合わせで偶然居合わせた浪川さんがこちらによってくる。
色々とキャリアを積みまくってる人で尊敬している人間のひとりだ
安元「いや、こっちゃんの事で」
浪川「あ"〜あのボイター……だっけ?
いい噂聞いた事ないよね?噂すごいもん」
安元「知ってたんですか笑」
浪川「いやもちろんもちろん。」
何か手を差し伸べてあげたら、きっとあの子も楽になるはず。
それが出来たら今苦労していない
浪川「そーゆーとこむずかしいよね。なんていうかさ芸能界って正直面倒くさいのよ、関わりとか」
「そうですよね……」
浪川さんにはこの後「陰気臭い顔やめな?笑」とわらわれて、その複雑な心境のまま打ち合わせは始まった。
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作者名:にむ | 作成日時:2021年9月8日 13時