道を聞いたら誘拐された。『文スト』

8日目 ページ8

そして、現在。彼の家の地下室にいる…。





「惚れた…からって、閉じ込める必要なんて、ないじゃないですか…！」



「手前は気づいてねェんだよ。手前は綺麗すぎる。厄介な虫が、手前に目をつけてるって考えると、虫酸が走るンだよ」





でも、と彼はニッコリと笑う。





「ここにいりゃ、そんなの心配しなくていい。互いにな」



「いや、です…ここから、出してください！」





すると、彼は……中原さんは、急に表情を暗くした。悲しんでる時の暗さじゃない。怒っている時の暗さ。







怒らせてしまった……。







「見た目によらず、聞き分けの悪い女だな、手前は。これからじっくり教え込んでやろうと思ってたが、やめだ」



「な、何を……や、ぁっ…！？」



「今から、教え込んでやる」





押し倒される体制になる。両手首を片手で拘束されて、動けない。逃げられない。





「は、はなっ……んぅ！？」



「舌、出せ」



「ゃ、あっ…！んんっ…！！」





キス……されてる…？





舌が絡み合って、激しすぎるキス。私、これがファーストキスなのに…！



苦しくて、もがいても、中原さんはやめてくれない。





「んっ…は、ぁっ…！や、ぁっ…ん…！」



「はぁっ……んっ…」





どちらの唾液かは、もう分からない。頭が痺れる…！





「んん……！や、めっ…！」



「っ…！？……やってくれるじゃねェか」





思い切り、中原さんの舌を噛んだ。

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