禁愛END ページ35
「だめだよ、そんなことを言うなんて…」
どちらも好きになれないなんて、太宰はAに言わせたくなかった。
「嘘をついたことは謝るよ。許してくれるまで、これかも何度も。けれど、君が大切だったから、不安にさせたくなかったから…私は嘘をつきざるおえなかった…」
太宰は悲しそうな顔をする。Aはなぜか、その顔に心を痛めた。
「私の、ことを思って…?」
「そうさ…。わかってくれ、A。妹に半年に一度しか会えなくて、連絡もまともに取れなくて、心配で仕方がなかった。
久しぶりに会えると思ったのに、急に行方を眩ませて…。会えたと思えば衰弱しきっていて…。私は…!」
「いいの、もう、いいの…。ありがとう、お兄ちゃん」
Aは太宰に抱きつき、頬に口付けた。
きっと、Aも自然と太宰に依存し始めていた。中也へと依存は、ただの仮初。兄がこうしてくれれば、と、どこかで思っていた。望んでいた。
会えない寂しさを、中也が埋めてくれていたような気がしていただけなのだ。
「中也さん、私は、お兄ちゃんが好き…。兄妹なんて、やっぱり関係ないです」
「………勝手にしろ。狂った兄に愛されておけ」
中也はそっけなくその場を去る。太宰は、Aを家へ連れて帰った。
ー
「これから、嘘なんてつかないで。全部、教えてね。お兄ちゃん」
「わかった。全部言うよ。何もかも」
兄の愛に妹は答え、妹も兄を愛するように。
他の兄妹とは違い、一線を越えた兄妹。
これから二人は築き上げていく。
兄と妹の、"禁愛"という愛を______。
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文豪少女 - 最高の作品ありがとう御座います!今度は双黒エンド出来たら見たいです!これからも頑張って下さい! (2019年8月2日 16時) (レス) id: b787729310 (このIDを非表示/違反報告)
瑠宇来(プロフ) - 最高すぎでした!双黒エンド見たいです! (2019年6月30日 23時) (レス) id: a67282984c (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 最高でした!双黒END見たいです!出来たら書いてください!お願いします! (2018年10月10日 14時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 双黒エンド見たいです!! (2018年5月10日 22時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
朔 - 双黒endみたいですね (2018年5月10日 16時) (レス) id: c831905666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイラ@太宰さんlove | 作者ホームページ:No
作成日時:2018年4月29日 22時