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30日目 ページ31

「着きました」



「傘を差して。彼女が濡れないように」



「は、はい」





Aを抱き上げ、私は自分の車の後部座席に寝かせる。



しかし、ゆっくりと目を開けた。起こしてしまったかな。





「ど……どこ、行くの?」



「すぐ戻るよ。仕事のことで報告をしなければ、私の首が飛んでしまうからね…。その外套を、頭から被るんだ。いいね?」



「…うん…。待ってるね」



「いい子だ」





Aの頭を撫で、車の扉を閉めて鍵をかける。首領(ボス)に報告するということだけは、私がやらなくてはならない。



幹部というものも、面倒なものだ。好きだなったわけでもないし。



執務室に向かい、報告を済ます。





「太宰君。何が急いでいるようだが…どうかしたのかね?」



「…私情です」





それだけを伝え、頭を下げて部屋を出る。あの人のことだ。Aのことを言えば、何かしてくるだろうね。





それだけはさせない。





ロビーを早足で駆ける。Aは、今衰弱しきってしまっている。私という心のよりどころができて、安心した。



今、中也に会えば……。



とりあえず、急ごう。





「太宰」



「あァ、織田作…。どうかしたのかい?」



「すまない。お前に少し聞きたいことがある。この仕事についてだ」



「いいよ。どれ?」





急いでいるけれど…彼の頼みはあまり断れないな。



私は、後悔することになるのも知らないで。



















「こな、いで……!」



「悪い子だなァ?A」

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文豪少女 - 最高の作品ありがとう御座います!今度は双黒エンド出来たら見たいです!これからも頑張って下さい! (2019年8月2日 16時) (レス) id: b787729310 (このIDを非表示/違反報告)
瑠宇来(プロフ) - 最高すぎでした!双黒エンド見たいです! (2019年6月30日 23時) (レス) id: a67282984c (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 最高でした!双黒END見たいです!出来たら書いてください!お願いします! (2018年10月10日 14時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 双黒エンド見たいです!! (2018年5月10日 22時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
- 双黒endみたいですね (2018年5月10日 16時) (レス) id: c831905666 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイラ@太宰さんlove | 作者ホームページ:No  
作成日時:2018年4月29日 22時

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