道を聞いたら誘拐された。『文スト』

24日目 ページ25

痛みが体を走った。



やめて、なんて全く意味の無い言葉で、どれだけ叫んでも、彼をそそるだけだった。



嫌で嫌で仕方がないのに、快楽に溺れていく気がして、怖かった。



何時間していたのかなんて、全くわからない。



彼は私に名前を呼べって何度も言った。……何度呼んだのだろうか。



もう、ダメな気がした。彼からは、逃げられない_____。







「ん…」








ふと、目を覚ました。中也さんはいない。仕事、かな…。





「起きたか」



「……はい。……っ！？」





全身に痛みが走る。何これ、すごく体が痛い…。





「……無理、させたな。悪い…」



「……シャワーを貸してくれませんか」



「…いいぜ」





中也さんは何故か不満そうだけれど、関係ない。今更だけど、シャワーを浴びたい。





「動けねェだろ？連れて行ってやるよ」





横抱きをして、ゆっくりと歩き出す。優しいのか、優しくないのか、本当に分からない。



私、おかしいのかな。あんなに無理やりされたのに、怖いと思わない。むしろ、今触れてくれて、少しだけ………。





「ほら、ゆっくりしろ」



「…ありがとうございます」





脱衣場で下ろしてもらい、中也さんは扉を閉めた。私はビリビリになった服を脱いだり、ヘアピンを外して…………








『鍵開けの技を教えてあげるよ』







お兄ちゃんが教えてくれたことがあった。 ヘアピンを使った、鍵開けの方法を。









・









「やってみる価値は、ある、よね……」

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