【実.況.者】社内恋愛禁止

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「あっ、係長、ここです！」



「おーめっちゃオシャレ。やっぱ橋田に聞いて正解だったわー」




他愛もない話をしながら歩いていたらあっという間にお店に到着。

ベビー用品の品揃えが豊富な雑貨店に来た。もちろんアクセサリーや筆記用具、日用品まで揃っている。



「わ、これかわいいですよ！うさぎ！」



「うん。かわいい。」



うさぎの耳がついたパジャマや靴下など、かわいい物で溢れてる。




「あー！これとかいいですよ。お母さんの便利グッズ！」


「ああ、そういうものいいかもな。ずっと使えるし」




2人である程度見て回って、どれにしようと悩んでいると店員さんに声をかけられた。




「お子さん産まれるんですか？」




「あ、はい。俺の姉が、なんですけど」




「そうなんですね！ご夫婦でいらっしゃる方多いんですよー。女の子でしたらこちらもオススメです」




なぜか牛沢係長は夫婦に間違われたことを訂正せず、むしろそれに便乗するように名前で呼んできた。




「じゃあ、これにします。Aもいいよな？」




「！は、はい…」




やっぱり弄ばれてるのだろうか。店員さんにバレないようにくくく、と口角をあげて笑っている。


恥ずかしくて背を向けると、ネックレスやピアスが目に入った。




「わ、かわい…」




ネックレスなんてもう何年も買っていない。何か買っていこうかな、と思いながら見ていると小ぶりのハートがふたつついたネックレスを見つけた。



「なに、欲しいの？」



「いえ！かわいいなって…」



そう言うと私の手からひょいと取り上げて、買ってやるよと止める間も無く会計してしまった。




「もらってよ。俺からの気持ちだし」




お礼も兼ねて、ということだし…貰わないと逆に失礼かなと思いありがたく頂戴した。




「ありがとうございます！うれしいです」




「いやこちらこそ。付き合ってもらって助かったよ。あと結構楽しかった」




「わたしも、楽しかったです。…あ、でも夫婦じゃないってちゃんと言ってくださいよ…！恥ずかしかったんですから」




「くくく、えー？なんか面白いし、Aが可愛い反応するからつい、な。」




「っ、また名前…！」




やっぱりこの人には敵いそうにありません。



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(夫婦、っての いつか現実にさせてみたいかも)

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