【実.況.者】社内恋愛禁止

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「キヨくん、仕事楽しい？」



「んーまあ楽しくはないっす！俺実際問題、働きたくねーし！でもま、仕事楽しい人なんて世の中少ないっすよ。先輩はたのしーんすか？」



酔いも回ってきたのか楽しそうに話し出すキヨくんに若干驚いたが、これが素のキヨくんなのだろう。



「私は楽しいよ、仕事、すきだし」



「へえ。いいっすねー！俺もそう言えるようになりてえなあ」



そう言いながら塩キャベツをつまむキヨくんに、プライベートの話をしてみた。



「キヨくんって、彼女とかいるの？」



「いないっす！まーいまは要らないかなーって思ってたら前の彼女と別れてから5年も経ってました！」



ははは！と虚しい笑いをしてから同じ質問をされた。



「私も同じ感じかなあ。仕事あるからって思ってたら2年もご無沙汰。」



「へえ、意外っすねー、先輩モテそうなのに」



「モテてたら苦労してないよ〜」



じゃあじゃあ、身を乗り出して私の手を取るキヨくん。




「俺とかどうっすか？」




いつもの無機質な顔と声ではない、アルコールのおかげで血色のいい肌と屈託のない笑顔。これはお酒のせい？と思いながらも、すこしときめいている自分にも驚く。



「キヨくん、飢えすぎだよ。ほら、危ないから」



そう言って押しのけるものの、久々に手を握られたのとお酒が相まって、体があつい。



「彼女になってくれたら仕事頑張れるのになあ〜」



「…はいはい」



お酒の力、恐るべし。




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(普段からこれくらい話せれば)

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