nb×kj ページ44
翔太side
渡｢うわ…マジか
めっちゃ雨降ってんじゃん…｣
天気予報外れてんじゃん
晴れるって言ってたのに…
今になって天気の神様の気分が
変わったのかな…なんて笑
そんなことより…
傘ねぇわ…どうしよ…
?｢傘ないんですか？｣
渡｢え？｣
隣を見るとネクタイの色的に同じ１年の
男性が居た
あ、俺、ここの寿野高校の１年で
渡辺翔太
康｢あ、すんません
ずっと立ち止まってたからそうなんかなって
俺、１年の向井康二って言います
…あのよかったらこれ使ってください｣
向井とか言う奴が渡してきたのは傘
でもどう見ても１個しかないんだけど
渡｢いや、でも向井さんが濡 れちゃうから
風邪引かれても困るし…｣
康｢大丈夫ですよ
俺んち近いんで
ほな、気をつけて帰ってくださいね｣
渡｢あ、ちょ…｣
鞄を頭に乗せて
走って行ってしまった
名前は知ったけど
どの組とか聞かなかったな…失敗した
傘返すのに難しいじゃん…
ビニール傘とかなら返さなくて良いかもだけど
この傘、普通に良いやつなんだもん…
まぁ、いつかは会えるだろう
と思って渡された傘を指して家に向かった
渡｢ただいま｣
母｢おかえり、翔太｣
家に到着してリビングに行くと
母さんが飯を作ってた
渡｢今日、なに？｣
母｢生姜焼にしようかなって
翔太、好きでしょ？｣
渡｢うん、ありがと｣
母｢お父さんももう少しで
帰ってくると思うから手とか洗ってきなね｣
渡｢分かった｣
そして手洗いうがいをしてリビングに
戻ろうとしたらちょうど父さんが帰ってきた
父｢翔太、ただいま｣
渡｢おかえり
そういえば父さん傘持ってった？｣
父｢持っていってなかったが鞄に
いつも折り畳み入れてるからそれさしてきた｣
渡｢俺も折り畳み持った方が良いのかな…｣
父｢どうやって帰ってきたんだ？｣
渡｢たぶん同じ学年だと思うけど
向井とか言う奴に傘渡されてそれさしてきた｣
父｢やっぱり優しい人も居るんだな｣
渡｢でもどの組か知らないから
返すのどうしようかなって思ってさ｣
父｢あぁ…
でも同じ学年ならすれ違ったりとかないのか？｣
渡｢だと良いんだけど｣
母｢あら、お父さんおかえり
ご飯できたから早く来てね｣
父渡｢分かった｣
ほんとにすれ違えたら良いけどな…
あの傘は絶対返さないといけないと思うし…
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作者名：YUKI | 作成日時：2024年2月6日 22時
