8 ページ8
.
「「王様だーれだ!!」」
「よっしゃ!俺でーす!」
「うわー、お前かよ!」
「ん〜、最初は軽いほうがいいよね、…じゃあ2番と9番が席交代!」
わたしの番号は5番だからセーフ!
よかった、なんて思ってたのも束の間。
ずっと隣に座ってたなぎちゃんが9番だった。
A「なぎちゃん〜」
「大丈夫!…あの、2番の人、さっきからAのことチラチラ見てたよ、チャンスじゃない?笑」
A「ちょっと、なに言ってんの」
席を立ちながらわたしにコソコソはなしてきたけど
そんなの、どうでもいいよ
なぎちゃんも近くにいないし
…ああ、もう早く帰りたい
そう思ってるわたしに
"早く帰りたいって思ってるでしょ"
そう、声をかけてきたのは
9番の紙を持った男の人だった。
A「…え?」
「あ、Aちゃんだよね?話してみたかったんだよね、かわいいし」
A「そんなことないです、」
「あ、俺の名前わかる?」
A「……あ、えっと〜、、」
「ふはっ、だよね、たくさんいるから覚えれないよね、ごめんごめん」
A「…すみません」
「俺はね、ケント。山下ケント。」
A「…ケントさん」
「うん、ケント」
そう言って私の目じぃって見つめる、ケントさん
なんでかそらせなくて、
わたしもその流れで見つめてたら
「なんだよ、そこ、もうできてんの〜?笑…じゃーいいや。ケントがAちゃんにチューして」
A「え?」
「ヒューヒュー!」
「王様の命令は〜?」
「「絶対!」」
いつの間にか続いていた、王様ゲーム
今度はこの男の人が当たったのか、
" 王様 " と書かれた、わりばし
チラチラこっちに見せながらニヤニヤしてた。
こんなのずるいよ、番号指定じゃないなんて、
そう思う、わたしとは裏腹に
ケントさんはわたしの頬に手を添えて見つめてくる
え、うそでしょ
やだ、やめてよ
そう思ったけど
「…ごめん、ちょっと我慢して」
ケントさんは小さな声でそう言ってから
わたしのおでこにそっとキスをした
208人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あゆ | 作成日時:2020年3月24日 16時