23 ページ23
.
無機質な機械音が何回かなった後、
5コール目で、さっきまでテレビから聞こえてた声が
耳元で聞こえる。
「…もしもし?」
A「…あ、もしもし、夜遅くにごめんなさい、Aです。」
「え、Aちゃん?!」
A「うん、そうです。夜遅いから、かけるのやめようかなって思ったんですけど、明日になっちゃったらもう勇気でない気がして。笑 …ほんとに、すみません」
「全然!かけてくれたの、嬉しいよ。だって全然連絡くれないんだもん!笑」
A「いや、ほんとに勇気がでなくって。こういうの、慣れてないから。笑」
「でもよかった、また話せて。もう話せないかと思ったから。嬉しいよ」
サラッとそんなかっこいいこと言っちゃうけど
やっぱり、やっぱりこんなの、勘違いしちゃうよ
だめ、
すきになっちゃ、だめ、
そう、自分に必死に言い聞かせて
ブレーキかけて、
あれ、これ、何回目かな。
" すきになっちゃだめな人なんて、いない "
そう、どこかで聞いたことがあるけど
この人は例外。
「あ、そうだ、こんな時間までなにしてたの?」
A「…え?」
「いや、なんでまた急に電話くれたのかなって思って。」
A「…わたし、実は知ったんです、今日。」
「ん?なにを?」
A「…紫耀さんが、芸能人ってこと。」
スーパースターだからこそ
自分とは全く環境が違うからこそ
すきになっちゃ、だめ
だけど、どうして
どうして、
わたしはこの人の言葉で
一喜一憂してしまうのかな
208人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あゆ | 作成日時:2020年3月24日 16時