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無機質な機械音が何回かなった後、
5コール目で、さっきまでテレビから聞こえてた声が
耳元で聞こえる。





「…もしもし?」

A「…あ、もしもし、夜遅くにごめんなさい、Aです。」

「え、Aちゃん?!」

A「うん、そうです。夜遅いから、かけるのやめようかなって思ったんですけど、明日になっちゃったらもう勇気でない気がして。笑 …ほんとに、すみません」

「全然!かけてくれたの、嬉しいよ。だって全然連絡くれないんだもん!笑」

A「いや、ほんとに勇気がでなくって。こういうの、慣れてないから。笑」

「でもよかった、また話せて。もう話せないかと思ったから。嬉しいよ」




サラッとそんなかっこいいこと言っちゃうけど
やっぱり、やっぱりこんなの、勘違いしちゃうよ





だめ、
すきになっちゃ、だめ、

そう、自分に必死に言い聞かせて
ブレーキかけて、



あれ、これ、何回目かな。





" すきになっちゃだめな人なんて、いない "


そう、どこかで聞いたことがあるけど


この人は例外。







「あ、そうだ、こんな時間までなにしてたの?」

A「…え?」

「いや、なんでまた急に電話くれたのかなって思って。」

A「…わたし、実は知ったんです、今日。」

「ん?なにを?」

A「…紫耀さんが、芸能人ってこと。」







スーパースターだからこそ

自分とは全く環境が違うからこそ


すきになっちゃ、だめ






だけど、どうして





どうして、

わたしはこの人の言葉で
一喜一憂してしまうのかな

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作者名:あゆ | 作成日時:2020年3月24日 16時

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