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全部、見終わったころには
もう、日付が変わってしまっていて
かっこよかったなあ
なんて、余韻に浸りながらも
寝よう、そう思ったとき
ふと、ドレッサーの上に置いてある、
サングラスと紙切れが目についた。
" 俺サングラスすげえ好きでさ、集めてんの。これが1番お気に入り "
こう言ってた、この言葉の意味
今になってやっと、分かった気がした。
夜になってもかけてるのは
眩しいからとかじゃなくて、
変装のため。
夜の外出を選ぶのは
人混みを避けるため。
それだけ人気のスーパースターが
よく、知りもしないわたしなんかに
電話番号、くれたなあと思ったら
なんか、電話しないのも、借りたもの返してないのも、失礼な気がして
やっと、はじめて
その紙に書いてある番号、
ダイヤルに打ち込んだ。
あ、そうだ、でももう夜遅いや。
勢いで発信ボタン、思わず押してしまいそうになったけど、もう、夜中といえる時間帯。
たぶん、ねてるよなあ。
でもやっぱり
ノリと勢いって大事だよね、
明日になったら勇気、でないかも。
でなくても履歴だけ残ればいいし!
それに、サングラス!
サングラス、はやく返したいし!
なんてつべこべ
自分に向かってボソボソ、言い訳して
えいっ!
って、1週間、あんなに渋ってた
発信ボタン、ようやく押せた。
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作者名:あゆ | 作成日時:2020年3月24日 16時