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それから、ケントさんは
あんなに追ってきたのに、

あっさり引き返してくれた。

全部、この人のおかげ、





「送るよ。車とってくるから、ちょっとここで待ってて」

A「あ、いや、でも、」

「あー、もしかして、怖い?車だと」



" あーだよな、さっきのことあったしな、どうしよっかな、"



あ、歩いて帰る?!
なんて目の前でひとりで喋ってるけど
わたし、この人の車なら全然怖くないのに。

必死に考えてくれてる、この人のこと見てたら
なんだか笑えてきちゃって。




A「ふはっ、」

「え?!なになに、」

A「怖くないです、全然。でも助けてもらったのに送ってもらうとか申し訳なくて。」

「ええ、そういうこと?!全然いいのに!なんなら大歓迎!笑」





" あ、じゃあ車とってくるから待ってて、 "




すぐ戻る!


そう、叫びながら走って行った後ろ姿を
見つめながら

高鳴る胸、そっと押さえた。



そして


今日は絶対名前を聞こう、って決めた。









それから、

すぐ戻る!

そう言った通り、
本当にすぐ、車で戻ってきた。

黒の、おしゃれな外車。




道路脇に止められた車

彼が窓を開けたところで
サングラスをかけた彼が見えた。




うわあ、様になるなあ。




ぼーっとそんなこと、考えてたら




「乗って!助手席!」





彼は微笑みながらそう言った。

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作者名:あゆ | 作成日時:2020年3月24日 16時

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