13 ページ13
.
それから、ケントさんは
あんなに追ってきたのに、
あっさり引き返してくれた。
全部、この人のおかげ、
「送るよ。車とってくるから、ちょっとここで待ってて」
A「あ、いや、でも、」
「あー、もしかして、怖い?車だと」
" あーだよな、さっきのことあったしな、どうしよっかな、"
あ、歩いて帰る?!
なんて目の前でひとりで喋ってるけど
わたし、この人の車なら全然怖くないのに。
必死に考えてくれてる、この人のこと見てたら
なんだか笑えてきちゃって。
A「ふはっ、」
「え?!なになに、」
A「怖くないです、全然。でも助けてもらったのに送ってもらうとか申し訳なくて。」
「ええ、そういうこと?!全然いいのに!なんなら大歓迎!笑」
" あ、じゃあ車とってくるから待ってて、 "
すぐ戻る!
そう、叫びながら走って行った後ろ姿を
見つめながら
高鳴る胸、そっと押さえた。
そして
今日は絶対名前を聞こう、って決めた。
それから、
すぐ戻る!
そう言った通り、
本当にすぐ、車で戻ってきた。
黒の、おしゃれな外車。
道路脇に止められた車
彼が窓を開けたところで
サングラスをかけた彼が見えた。
うわあ、様になるなあ。
ぼーっとそんなこと、考えてたら
「乗って!助手席!」
彼は微笑みながらそう言った。
208人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あゆ | 作成日時:2020年3月24日 16時