雪月花 snow moon flowers (ページ1)

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ある夏の日。
　雪月花は、もうすぐ開催される、第一回玲瓏神社夏祭りの話で持ちきりだった。
　私、神谷桜は、玲瓏神社でゆっくりとお茶を飲んでいた。
　そして、護符がある事を確認すると、護符を持った両手を清んだ綺麗な青空に突き上げた。
「桜さん、玲瓏夏祭りの準備はしないのですか？」
　小夜に話しかけられる。
「そうね、そろそろ始めようか」

「じゃあ、小夜はここで留守番してて。私は、屋台の集計をしてくるわ」
「はい、分かりました」
　私は軽く頷くと、鳥居を潜って、早速屋台の集計に取り掛かった。

「えっと……、あとは、3人ね」
　屋台の集計がスムーズに進んだ為、意外と早く終わってしまった。
　あ、いたいた……。
「瑠璃、夏祭りの屋台の話だけど……」
「あぁ、それなら……」

「ただいま。集計、終わったわよ」
　私は帰って小夜に話しかけた。
「あら、ずいぶん早いですね、流石桜さんです。尊敬します！」
　……？
　集計したメモ帳に、記憶に無い名前が書いてあった。
「あら、こんなの書いたかしら……」
「え？どれですか？」
　私はそう言って、指差した。
「ほら、ここ……」