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それから数日後
最近やっと退院できて、今はもう任務へ向かっている。
『まだまだかかりそう?』
夜「ウン!!まだかかる!!」
今回の任務、少し遠いいなぁ。
急がなきゃ。
お、あの村を通って近道しよう!
これで少しは早く着けそう!かな
「おい!……が……ッ!!この……!!」
「ッ……!」
『?』
なんだろ、揉めてるのかな。
男の声と少女の声がする。
「さっさと働けよ愚図がよ!!」
「ご、ごめ……なさッ」
「使えねぇなぁ!近いうちに売りに出すんだ。
それまでにたっぷり働いてもらわなきゃならねぇんだからよ!」
『ッ?!』
あれは……虐待……よね。
初めて見た……酷い。
しかもあの子、時透くんと同じくらいの歳に見える。
……売りに出す……あの人ははっきりとそう言っていた。
なら、私があの子を買おう。
確かしのぶちゃんとカナエさんも引き取ってた気がするな。
この前何も話さずに呼びに行っちゃったけど……。
早く救ってあげなきゃ。
初めて見た子にここまでするのはなんでなのか、私自身もよく分かってはいない。
けど、助けたいって思った。
そう思い、近づこうとした。
夜「ハヤク!!遅れちゃうヨ!!」
『あっあぁ……そうよね、今は任務を、優先しなくちゃ……』
私は鬼殺隊で、鬼を滅殺するのが仕事。
それを一番に優先しなきゃいけない。
『ッ……ごめんなさい、絶対に迎えに来るから』
届く訳もない言葉を吐き、その場を後にした。
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