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『ん……ぅん……朝……』
ぐっと伸びをしてから直ぐに蝶屋敷へ行くための準備をする。
『じゃ、行ってきます』
誰もいない、私一人だけの屋敷に向かってそう言ってから私は蝶屋敷へ向かった。
屋敷に行ってきますをしたら、私は全速力で走り出した。
全速力で走ったせいか、ほんの数分で着いてしまった。
『……どうしよう、いいのかな。
こんなに早く来て怒られたりするかも。
しかも、絶対あの子まだ起きてないよね?!……』
ここに来てようやくその事を考えた。
考えるのが遅すぎるのよ私は!
はぁ……。
『まぁ……大丈夫だよね』
そう一人で解決して、戸に手をかけ開く。
『すみませーん……し、しのぶちゃんとかいますか……?』
駄目だ、本能的に朝が早いからなのか声を張り上げらんない!!
ア「?……あ、冬音さんですか!
おはようございます。早いですね」
『あっ……!アオイちゃん!ごめんね早く来すぎちゃって……。
それで、あの子は起きてるかな……?』
ア「あの子……あぁ昨日冬音さんが連れてきた女の子の事ですね。
起きてますよ、なかなかよく眠れないみたいで、少し寝て直ぐに起きてしまったんです。」
そっか……。
多分、寝るのすら怖いのかもね。
いつあの男の拳が来るかわからないから、居ないと分かっていても怖いんだろうな。
ほんと、あの男が許せない……。
『そうなんだ。ありがとう。
面会とかってもう出来たりする?』
ア「んー……少し待っていて下さい。
しのぶ様に確認してきますので。」
『うん、忙しいのにごめんね。
ありがとう。』
伝えるまで、あと少し……。
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