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『……大丈夫ですか?お嬢さん……遅れてしまってすみません』


あ、なんかこの言葉師範に助けてもらった時に言われた気が……。


「ぁっ……ぁり…が…とぅ……ご…ござい…ます」


随分と弱々しい声だな。
……?
それにこの子、怪我してるじゃない。
それに、苦しそう……。

もしかして、あの鬼……毒を扱う血鬼術を持ってた……?

……ここは隠に任せよう。


『少しだけ我慢してくださいね、口は閉じていなきゃ噛みますから気をつけて』


そう言ってから少女を横抱きにする。


「ひゃっ……!」


『では、行きますよ、しっかり捕まっててくださいね!』


ダンッ


「?!?!(速い……!)」


早くしなきゃ命に関わるかもしれない……。
この子には悪いけど、もう少し速度を上げよう。


ギュッ


!!


『ふふっ大丈夫です、落としたりはしませんよ』


そう、優しく微笑むと、少女は目を丸くさせ、次に頬をほんのりと赤く染めた。
相当嬉しかったのか、少女はにまにましている。

ふふっ可愛いなぁ。

今まで沢山辛い思いをしただろうに、こうやって笑顔を出せる彼女は、私よりも何倍も心が強い子なのだと思った。
……少し、羨ましいとも思ってしまった。
……辛い思いを沢山してきた彼女に羨ましい、だなんて……私は最低だ。



『もう少しですからね』


こんな考えをしてごめんね、という思いを込めながら彼女を再度強く抱き直した。


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作者名:麦茶@むぎちゃ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年3月12日 12時

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