第8話 両面宿儺〜三〜 ページ8
｢これが…｣
｢あぁ。特級呪物�猯礁冥頻記瓩修琉貮瑤澄�｣
虎杖はまじまじと両面宿儺の指を見ながら困った顔をしている。
｢りょうめ…？｣
｢言っても分かんねぇだろ。危ねぇからさっさと渡せ。｣
宿儺の状態は封印が剥がれた今、完全に呪霊をおびき寄せる餌になっている。
そもそもが呪いの巣窟になりやすい学校だ。
またいつ呪霊が集まってくるかもわからない。
その瞬間、虎杖の上から呪霊の手が伸びてきた。
玉犬は生徒二人を、俺は虎杖を突き飛ばした。
｢逃げろ。｣
上の天井は崩れ、呪霊の手が俺を掴む。
こいつ、ラグビー場にいた呪霊だな…
｢おっ……おっ……｣
俺は式神｢鵺｣を呼び出そうと印を結ぶが呼び出す前に壁に思い切り叩きつけられてしまった。
｢がっ…！｣
背中から猛烈な痛みが襲いかかるが間髪入れずに呪霊は俺に突進を始め、壁は崩れ外に投げ出されてしまった。
術式途切れた……クソ頭打ったせいで頭回んねぇ…
呪霊はゆっくりと近づいてくるが、一緒にでてきた虎杖に頭を殴られ地面に顔がめり込んだ。
こいつ逃げろって言ったのに…しかも素の人間なのになんつー馬鹿力してんだ…
｢大丈夫か！？｣
｢逃げろつったろ…｣
｢言ってる場合か！今帰ったら夢見悪ぃだろ。それになこっちはこっちで面倒くせぇ呪いがかかってんだわ。｣
呪霊は虎杖を掴もうと襲い掛かるが、右手で呪霊の左手を軸に回りながら、呪霊の顔に右足で蹴りを食らわせる。
強い……だが駄目だ…お前がいくら強くても…
虎杖は蹴りを食らわせた後に距離を取るが一瞬で呪霊に詰められ左手で頭を殴られ地面に叩きつけられた。
｢呪いは呪いでしか祓えない。｣
そのまま虎杖はこちらの方まで投げられる。
｢…早く言ってくんない？｣
｢何度も逃げろつったろ。
今あの二人抱えて逃げられんのはお前だけださっさとしろ。
このままだと全員死ぬぞ。
呪力のねぇお前がいても意味ねーんだよ。｣
虎杖が多少時間を稼いでくれたお陰で頭のふらつきはある程度取れた。
いざとなったら�牘�の手�瓩鮖箸Δ靴�ないか…
｢なぁ。なんで呪いはあの指狙ってんだ？｣
｢喰ってより強い呪力を得るためだ。｣
｢なんだ。あるじゃん。全員助かる方法。｣
｢…あ？｣
何を言ってるんだ？コイツは？とにかく早くあの二人をつれて逃げてもらわねーと…
｢俺にジュリョクがあればいいんだろ？｣
すると虎杖は自分のポケットから宿儺の指を取り出し、口に運ぼうとする。
｢なっ！？馬鹿！やめろ！｣
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ノア - とても面白かったです。更新楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月13日 21時) (
レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハクスイ | 作成日時：2020年11月1日 8時
