第54話 ページ5
「ですが…立木さんはここで修行を重ねた結果その五条先生に傷を付ける程強くなられた訳ですよね…?少なくとも短い付き合いですが五条先生に傷をつけた人なんて一人も…」
すると立木さんはふふっと小さく笑いながら肩を小刻みに揺らした。
「あんなもの奴に傷をつけたうちに入らん。儂はあの時貴様を本当に木っ端微塵にする気でおった。」
その言葉を聞いてあの時の恐怖心がフラッシュバックし、背すじに冷たい汗が流れる。
「あんな隙だらけの攻撃、まず奴には当たらん。だが、今回は貴様を庇わないといけない状況。奴が必ず儂の攻撃を防ぐことは明白。儂は五条の術式を無効化するため簡易領域をあの攻撃に掛けた。」
僕はごくりと生唾を飲む。あんな一瞬でそんなことを考えていたなんて思いもしなかった。
「そして儂の全力の攻撃は奴の腕さえ弾き飛ばせはしなかった…奴は本当に化け物をじゃよ。」
立木さんの強さを少しでも体験した僕だからこそ分かる。立木さんも恐らく呪術界の中では五条先生に次ぐトップレベルの強さを持った人だ。
その人が五条先生を化け物と呼ぶ。
五条先生の底無しの強さに寒気がする。
「着いたぞ。ここが貴様の墓場だ。」
石階段を降り終わると全面石造りの凄く広い真っ平らな地下の空間があった。
高さも凄く高く、修行する分には申し分ない広さだ。
「ここで僕は何をしたらいいんでしょうか…?」
「まずは己の呪力としっかり向き合う事じゃ。座れ。」
そう言うと立木さんはその場の地面にあぐらをかいて座った。
僕もその後に続く形で地面に座る。
「今からその場で呪力を身体中に巡らせろ。こんな風にな。」
立木さんはそういって一呼吸置いた後、物凄い集中力で自分の呪力を回している。
空気がビリビリと震えているのが肌を通して伝わってくる。
「貴様の術式…たしか虚空とかなんとかじゃったかの。貴様のその術式は五条にも負けず劣らずの最強の術式と言ってもいい。」
確かに五条先生も僕の術式は五条先生と似ているって言ってた…
「だが、それは術式の力を100%使えていればの話だ。」
「100%…ですか?」
まだ僕の術式は応用できる使い方があるのか?
「ある程度貴様の資料を読ませてもらったが、貴様が戦う術は、ある程度の他人の術式コピーと指輪を変形させ呪具として使う。そして己の真の術式である虚空…そうじゃの?」
「は、はい!そうです。」
そんなに詳しく…その資料…どれだけの情報が載ってるんだ?
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ゆーか(プロフ) - めっちゃ面白くて一気に読んでしまいました!!めっちゃ好きです!!頑張ってください!! (2020年3月10日 21時) (レス) id: f8961577f7 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - めっちゃくちゃ面白いです!すっごく続きが気になります!更新頑張ってください!応援してます! (2020年1月13日 21時) (レス) id: 16729f308f (このIDを非表示/違反報告)
ハクスイ(プロフ) - オオムラサキさん» ありがとうございます!これからも頑張っていきますので、見てくださると嬉しいです! (2019年8月20日 1時) (レス) id: 2b1448f434 (このIDを非表示/違反報告)
オオムラサキ(プロフ) - めっちゃ面白いです!もう最高!呪術廻戦の夢小説って少ないのですごく嬉しいです。これからも頑張ってください (2019年8月19日 18時) (レス) id: b57e3929d2 (このIDを非表示/違反報告)
ハクスイ(プロフ) - かなとさん» すみません。今外しました! (2019年8月16日 15時) (レス) id: 2b1448f434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年8月16日 13時