第九話 ページ10
すると、指輪は変形していき黒い僕の全身が隠れるくらいの盾と黒刀が現れた。
「予想通りだね……恵!式神用意!」
「わかりました……玉犬!」
すると伏黒君の隣から黒犬と白犬の様なものがでてきた。
「伏黒君!この子達って斬っても死なないよね?」
「あぁ。復活する。だが、俺たちの心配より自分の心配しろよ?」
すると、黒犬が正面から猛スピードで近づいてくる。
飛んで向かってくるが、盾でガードする。
すると次は白犬が盾の右横から僕の脇腹に噛み付こうとするが後ろに飛んで躱した。
「たしかに……これは心配してる暇じゃないよね…」
黒刀に呪力を流し込み、斬撃に合わせて呪力を飛ばす。
二匹とも躱したが、黒犬の足に少しだけかすったようだ。
「口で説明しただけで、こんなにもすぐ実践できるのか……」
左手の人差し指の指輪を解除し、黒刀一本だけにして、居合の構えをとる。
黒犬がまた真正面から猛スピードで突っ込んでくる。
黒犬が飛んでこっちに向かってくる瞬間にあわせ、刀を抜き黒犬の口から尻尾まで刀の刀身を振り抜く
「なっ!?」
黒犬はバシャッと墨のようになって消えた。
「合格だよ。A」
五条さんが手を叩き、終わりの合図をする。
白犬の方も消え、二人が近寄ってくる。
「想像以上だね。まさかこれほどまでできるとは思わなかった。」
「ありがとうございます!伏黒君も付き合ってくれてありがとう。」
「あぁ。一条も凄かったよ。」
伏黒君が微笑むように僕に視線を向ける。
伏黒君もこんな顔ができるのか……新たな一面を見た気がして嬉しくなった。
「どうだい?疲れの方は?」
「は、はい……なんか身体の力が一気に持っていかれたような……」
「君の呪具は指輪に呪力を大幅に込めないといけないからね。けど、この分だと君の中に潜む呪霊に頼らなくても大丈夫そうだね。」
「本当ですか!?よかった……」
「けど、このままじゃ強い呪霊には勝てない。メイン武器はその日本刀のようだし、剣術を磨いていこうか。今日はここまでにしてまた明日にしよう。」
「はい!ありがとうございました!」
「恵ももう任務は無いだろ?一緒に寮に帰りな。」
「はい……分かりました」
僕達はそのまま寮の帰路についた。
「一条……お前はあの二つの武器しか使えないのか?」
「うーん……わかんない……あの時は中指に呪力を込める暇なんかなかったから…」
「そうか……また今度見せてくれ。」
「うん!わかった!」
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時