第三十話 ページ31
「遅いですよ!僕、ホテルに誰も居なくて遅刻したかと思ったのに!伏黒君もどっか行くなら言ってよ!」
「悪かった…ちょっと用があって…」
「いやー、僕は彼を迎えに行ってて遅くなったんだ」
五条先生はケラケラと笑いながら頭をかいてる。
反省の色も見られない。
「いい大人が遅くなったで済ますなよ…!」
「……すみません…」
ようやく反省してくれた所で宿儺の器である彼…虎杖悠仁は何故かビックリした顔でこちらを見ている。
「あ!一応初めましてだね。呪術高専一年特級呪術師の一条Aです。よろしくね!」
「俺は虎杖悠仁!タメだよな?悠仁でいいよ!」
「じゃあ僕もAでいいよ。これからよろしくね。悠仁!」
悠仁の前に手を持っていき、固い握手を交わすがコソッと悠仁が耳元に近づいてくる。
「なぁ…ほんとにAって一年だよな?なんであの人の事手玉に取ってんの?」
あの人…?あぁ。五条先生のことか。僕はあの人の保護者とでも思われているのか……?
「あぁ。本当に一年だよ。悠仁と一緒!ただ、手玉に取ってるというよりかは……歳下でも、悪い事をした人には悪いって言わないとね?ねぇー五条先生!」
「だからごめんって!」
なんか開き直ってムカついたので、一発蹴りをケツに入れといた。
だが、実際この人には俺の蹴りなんか痛くも痒くもないだろうな。
避けることも容易いのに、こうやってわざと当たってくれてる……なんかムカついたからもう一発蹴っとこ。
「二発目!?先生ちょっと驚いちゃったよ!」
・
・
・
仙台から新幹線にのり、僕達四人は無事、東京に帰ってこれました。
悠仁は初めての東京で観光したがってたけど、そんな暇があるはずもなく五条先生と共に学長に会いに、伏黒君は術師に治療を受け、僕は寮の自室に戻ってる最中です。
島根に忘れていたキャリーケースはスーツ姿の男性の方が届けてくれたみたいです。
また向こうに行った時はお礼を言いに行こう。
廊下を歩いていると、真希さんにばったり会いました。
「よぉA、島根に一週間出張じゃなかったのか?」
「それが……その仕事一日で終わっちゃって…別の件で仙台まで行っていま帰ってきたところです。」
「……お前、ちゃんと休んでるか?嫌な事が合ったら私に相談しろよ?」
真希さんの顔が近づいて顔が暑くなってしまう。
真希さんの瞳に惹き込まれそうになる。
40人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時