第二十八話 ページ29
「それじゃ、恵の所まで行こうか。はい!これAの分の喜久福!」
「はい…ありがとうございます」
今度こそ学校に着いた…伏黒君の気配ともう一つ嫌な感じの気配が近くにいる…どうやら嫌な予感は当たったようだ…
「あちゃー宿儺の封印が解かれちゃってるね…」
「どうします?とりあえず上に報告……」
隣を見ると五条先生は居なくなっていた。
気配の後を追うともう伏黒君に接触したようだ。
まったく…行動が遅いんだか早いんだか…
伏黒君の所に行くと傷だらけの伏黒君と上半身裸の男の子を五条先生が支えている。
「あれ?遅かったねA!」
「貴方が行ったのに僕も急いで行く必要ないでしょ?それより誰ですかその男の子は…それに伏黒君大丈夫?怪我治そうか?」
「いや、いい。それより一条……お前も土産買ったのか…」
伏黒君は僕の右手首に掛けてあった白い紙手袋を見た後にまさにこっちが大変だったのに何してんだと言わんばかりの顔をしている。
「いや…五条先生が奢ってくれるっていうからつい……それより!あの子は誰だい?ってあの子から宿儺の気配がするんだけどもしかして…」
「あぁ…宿儺の指をあいつが食った。」
「……え?く……食った?」
衝撃の答えに伏黒君に聞き返すが首を上下にコクンと揺らし、そうだという合図を送る。
「そうか…じゃああの子は殺さないといけないんだ…」
五条先生の方に目をやると物珍しそうに男の子を見ていた。
「いや、だけどこの子さっきから宿儺に正気を取られていないんだ。今は気絶させてるけど、これで目覚めて正気だったらこの子には器の可能性がある。」
宿儺の器か……けど、危険性が高すぎる気がするんだけどな……
「さて、ここでクエスチョン彼をどうするべきかな」
「……僕は伏黒君の考えを尊重します。ただ、規定に則れば彼は処刑対象です。」
伏黒君の方に目をやるとなにやら考えているようだ。
たしかにここまで一緒にいた人を殺すというのは酷なものだ……
「たしかに、虎杖は処刑対象です…でも死なせたくありません。」
……!?そっか……考えていたのは殺すことじゃなくて…生かすことだったのか……
「……私情?」
「私情です。何とかしてください」
「僕からもお願いします。五条先生」
「クックック……かわいい生徒の頼みだ。任せなさい!」
そう言い、五条先生は笑いながら親指をビシッと立てた……
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時