第二十七話 ページ28
そのまま二人は光に包まれてだんだんと足元から形を無くしていく。
「僕…絶対強くなるから!強くなってみんなを守って…二人の敵を絶対とるから!」
「おう!見てるぞ…A……強くなれよ」
「貴方がここまで大きくなってくれて嬉しいわ…A……私達二人の間に産まれてきてくれてありがとう……いつまでもどんなときも貴方をずっと見守ってる……愛してるわA」
「うん……見てて……それと…僕を二人の息子にしてくれてありがとう…ちょっとしか喋れなかったけど…すごく幸せな時間だったよ…」
二人は最後にとても優しい笑顔で僕の前から光となって消えていった。
「……解呪完了だね…A…」
「…僕は呪術師を辞めるつもりはありません…あの二人に誓いましたから……五条先生……これからもよろしくお願いします!」
「あぁ!こちらこそ!」
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翌日、出雲大社の周りの森を五条先生と探索してみるが呪いの気配はどこにもなく、夏油傑の気配も残っていなかった。
五条先生と一緒に東京に帰ると五条先生の電話が鳴り響く。
話を聞いているとどうやら高専上層部からの電話らしい…
「いやー…特級呪物が行方不明じゃ上もうるさいか…」
ん?特級呪物…!?
「いや!?なんで特級呪物が行方不明なんですか!どこの!?」
「両面宿儺の指」
「はぁー!?そんなんでよくそんな平気な顔してますね!確か、その任務、伏黒君が担当でしたよね!今頃大変な事になってるかも知れませんよ!」
五条先生はハハッと笑いながら頭をポリポリとかく。
いや、笑い事じゃないんですけど…
「じゃあ観光がてら向こうまでとぶよ。Aも来る?」
「なんか、心配なんでついて行ってもいいですか?」
「おっけー、おっけー!人は多い方が楽しいでしょ!?」
「えぇ。そうですね。そういう訳なんで早く行きましょうか」
「まぁまぁ。そう急かさないでよ!」
その言葉のすぐ後に僕達は学校に……と思ったが着いたのは仙台のお土産屋だった。
「ここの喜久福が美味しいらしいんだ!買ってくるよ!Aもいる?奢るよ。」
「術式使って来たのがここかよ!マジですか!お願いします!」
「いやー、あれ結構疲れるから帰りは新幹線だよ?」
「えっ?いや、別にいいですけど!早く伏黒君の所に行かないと!」
「まぁまぁ。急がば回れって言うじゃない?急いても何も出ないよ。」
五条先生は笑っているが…何故かとても嫌な予感がする……
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時