第十七話 ページ18
「島根の出雲大社に出張ですか?」
「そう!どうも呪霊が沢山出てるみたいで手が回らないみたいなんだ。」
五条さんから呼び出され、何かあったのかと思ったがただの任務だった。
「今回は誰と行くんですか?」
「今回の任務はA一人で行ってもらうよ。任務にもだいぶ慣れただろう?」
確かに、最近は一人での任務も増えて、慣れてきたところだった。
「はい!それじゃ荷物まとめて、今日の昼前には出発しますね!」
「うん。頼むよ」
島根までは電車で10時間かかるな……アイマスク持っていこう。
今回は呪霊の数も多そうだし、一週間分の荷物を持っていくか…
寮を歩いていると廊下で狗巻先輩にあった。
「しゃけ。」
「おはようございます!狗巻先輩!」
彼は呪言という術式を使って呪いを祓う。
間違って人を呪わないように、普段はおにぎりの具しか喋らない。
最初は会話するのに戸惑ったが、今では慣れた。
「こんぶ、いくら?」
「あ、はい!これから任務で島根県の出雲大社という所に行ってきます!恐らく一週間ぐらいで帰ってくると思うんですけど……」
「しゃけ…ツナマヨ!」
「はい!頑張ってきます!」
彼は無口で怖そうに見えるけど、実はとても優しくて仲間思いの先輩です。
こーゆうところは伏黒君にも似てると僕は思います。
二年の先輩達はみんないい人ばかりで真希さんは呪具、パンダ先輩は僕に格闘術を教えてもらいました。
もちろん、狗巻先輩も!
部屋に戻って、キャリーケースに荷物を詰み終わったあと、すぐに東京の駅に向かう。
電車を乗り継ぎながら、約10時間後、早朝に僕は島根に着いた。
「ここが島根か……初めて来たなぁ……」
若干田舎の様な雰囲気が漂っていて空気が澄んでいる。
とても美味しく感じる。
「東京にはない良さだよな。」
そんなことを呟きながら改札を出ると、一人のスーツ姿をした人が僕を見て近づいてくる。
「貴方が、一条Aさんですね?長旅でお疲れのところ悪いのですが、今から出雲大社に来ていただきたい。」
「あ、いえいえ!そのために来たので!じゃあ早速お願いします。」
「はい……ではお車にお乗り下さい。」
駅の近くのロータリーに黒塗りの高級車が止まっており、正直自分がこんなヤクザ映画に出てくるような車に乗るとは思いもしなかった。
「では、出発します。」
そう言うと、車はエンジンを吹かせ発進した。
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時