第一話 ページ2
僕の名前は一条A。
どこにでも居る平凡な男子高校生です。
運動神経も中の中。勉学もクラスメイト40位中20位。
唯一、人に自慢出来ることがあるとすれば、料理が得意な事と……
霊が見えちゃうことです…
「お前……俺の事見えてるだろ…」
ただ、この特技は誰にも信じては貰えず、変人扱いされ、霊からはちょっかいを掛けられるとてもうざったい特技です。
「おい無視すんな…」
ただ今、頭に矢がぶっ刺さってる落ち武者に絡まれております。
態度が偉そうで癇に障るので目を合わせません。
「えっ?ちょっ!まじ待って!話だけでも聞いてよ!」
それに、霊に関わると僕の後をついてきている黒い靄にその霊は呑み込まれるようになるのです。
「はっ!?えっ!?ぎゃぁぁ!」
こうやって短い悲鳴の後に必ず僕に話しかけてきた霊は居なくなります。
最初は成仏かなにかしたのかなと思っていましたが、そんなことは無いと悟りました。
なぜなら、あの黒い靄は霊を呑み込む度にだんだんとでかくなっていってるのです。
ただ、自分に害はないのでほって置いています。
「はぁ……ほんと、めんどくさい体質で生まれたなぁ…」
今日も今日とて、霊と共に退屈な日常が幕をあけていくのでした……
「それじゃ、明日の課題忘れんなよー!」
授業の終了のチャイムがなり、部活の人はダッシュで部室に向かう。
僕達は1年だから生憎、雑用でも課せられているのだろう。
僕も帰ろうと席を立つと、周りに三人のDQNが集まって来る。
「おい。ちょっとツラ貸せや一条。」
なぜ、人はいちいち群れを成して一人を虐めようとするのか……僕にはよくわからない。
「なんだぁ!?その目は!?やる気か?」
一人のリーダー的なDQNが僕に叫ぶ。
その声がうるさくて仕方ない。
周りの奴らは触らぬ神に祟りなしという言葉をまさにそのまま実行する。
僕と目が合いかけると目を逸らし、意識をこちらに向ける癖に見て見ぬふり。
その周りの人間の行動に虫唾が走る。
「ううん!なんでもないよ!なんの用かな?」
精一杯、爽やかな笑顔で対応する。
いや、自分が爽やかと思っているだけで相手からしたらイラつく笑顔を浮かべているだけか…相手の顔を見れば、それは容易くわかる。
しかし、このDQN達はどこのクラスの人達だろう?同じクラスではないのは確かだし、恨まれる事はしていない。
「いいからこい!」
そのまま僕は裏庭について行く。
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時