第3夜 ページ4
Noside
「てめーにゃ、関係ねぇだろ」
「でも...暴力はよくないので...」
「え、関係ないなら遠慮なく潰していい？」
「オイオイ、兄ちゃんよォ」
途中不穏な言葉が飛び出てはスルーされ、ユキが不良少年その1に掴み掛かられてしまう。
「可愛い顔してると思ってナメてんじゃねーぞ！！」
その腕は逆にユキに捕えられ、院長に鍛え上げられた武道の餌食となったのだった。
「ははっ、ユキのこと可愛い顔だと思ってたのか。潰すぞ」
それからユキに似た、カッコイイ系の高校生が指をバキバキと鳴らす。威嚇には十分に思えるが、果たして威嚇で収まるだろうか。
ユキの技が一瞬だったために、その場は騒然とした。
「なっ...何が起こった！？」
「いてててっ、離せ...っ」
「ごめんなさい、おとなしくしてくだ...っ」
そこで不自然にユキの言葉が途切れ、目眩でもしたかのように目元を押さえてしまった。
「おいッ、そいつ離ーーーう、お！？」
ユキに押さえつけられている不良少年その1を助けるためか、不良少年その2が駆け出そうとした時、足元にあった『ナニカ』に躓いてびったーん！！ と素晴らしい音を立てて転んだ。その時ちょうど目の前にいた不良少年その3の背中も掴んだために、まさにドミノ倒しである。
「...あ、...一網打尽だ...ラッキー」
不良少年ドミノを見事に倒したのは九十九であった。不良少年その2の足に己の足を引っ掛けたのだ。
「...平気？」
「あ...はいっ」
「お前おもしれぇな。よくあそこで足引っ掛けられるよ」
「カッコ悪いわねぇ！」
パチンと携帯電話を片手で閉じながら、十瑚が不良少年たちに向けて威勢のいい瞳を向ける。
「呼んだわよ、ケーサツ。捕まりたくなかったらさっさと退散するのね！」
「ちっ、サツはヤベェ...」
「行こうぜっ」
そう言い捨てて、不良少年たちはバタバタ、スタコラサッサーとログアウトしていった。見事な三下具合だった。
「...呼んだの？ ケーサツ」
「ううん、ハッタリ。」
「やっぱり...」
十瑚の見事に開き直った様子に、思わず群衆から拍手が溢れる。
その間にもユキは叢雨姉弟の後ろでボロクソにやられていたサラリーマン男性のもとにいた。
「だ、大丈夫ですか...？」
「あ、あぁ。すまない...助けてくれてありがとう」
「今日は俺らがいたから良かったけど、次からはタイミングとか考えて喧嘩売れよ、オジサン。アンタの気持ちはよかったぜ」
「あぁ...そうだな...」
続く (更新停止中)
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作者名：大神銀 | 作成日時：2019年8月26日 21時
