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剛side ページ23
いつの間にか、
夜が明けてた。
小鳥が泣いてるみたい。
あっ…窓の外で。
左の耳がダメなせいで、
どこから音が流れていたりするのかが分からない。
ｶｯｶｯｶｯ……
ｶﾞﾗｶﾞﾗ……
ｶﾂﾝｶﾂﾝ……
誰か来たのだろう。
段々と大きくなっていく音には反応できる。
不思議な耳だ。
ｻｯｻｯ、とカーテンが揺れる。
｢入ります｣という合図だ。
｢はい｣
マネ｢おはよう、剛くん｣
「あっ、おはようございます」
まだ、６時半…。
マネージャーはいつ寝て、いつ起きているんだろう…。
体が心配になってくる。
マネ「ごめんね、早く来すぎちゃって…。
今日光一くん、音楽番組だからさ」
「そっか…今日音楽番組…。
………どっちやったっけ？」
マネ「日テレ。
…嵐の相葉君と松本君が代わりにって」
そんなに。
そんなに時間が経ってしまっていた。
最近まで、俺らの周りでワチャワチャしている
こどもだったはずなのに。
マネ「じゃ、今日も…」
「「ちょっと待って！！！」」
今日、絶対に。
絶対に伝えるって。
戸棚から、昨日書き終えた手紙を出し、マネージャに渡した。
「これ、光一に渡しておいてほしい。
あとひとつ。
『ありがとう』って伝えといてくれんかな？」
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作者名：由乃 | 作成日時：2017年8月15日 0時
