Miles away (ページ22)

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剛side ページ22

何があるやろ…。

なにか、書く事……。

『今回ばかりは本当にすまない。

俺は今日病院に行って、数週間の入院を余儀なくされた。

音楽番組、バラエティ番組はお前に任せるけど、まさかなぁ、とは感じてます｡｡｡』

━━｢光一！｣

━━｢ちょい待てや、呼び捨ては可笑しいやろ！！｣

あっ、と、

脳裏に浮かんだあの丘で。

彼と遊んだ記憶が蘇る。

『あとさ、

俺、ずっと言いたかった事があって。』

だけど、なかなかそれを文字に起こすのは何か恥ずかしい気がした。

あの日、

あの場所で。

『ずっとお前に言える時間はあったはずやのに、

何故かうまく言えんくて、ずっとそのままやった。

俺とお前と、小さい頃に会ってる記憶が俺にあるんや。

あの場所で。

あの木の下でお前と遊んだ記憶がある。

もしかしたら』

もしかしたら。

でもその記憶はまだ浅はかで。

だからどうしようという事も出来ない。

『返事待ってる。

剛より』

一日おきに病室にやってくるマネージャー、

次に来るのは明日。

忘れないようにと、

試行錯誤しながら書きあげた手紙を

近くに置かれた戸棚に入れた。