Miles away (ページ17)

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光一side ページ17

稽古の毎日に、

ロケの日が来た。

この日は、剛から話があるという事で。

少し聞くのに緊張している自分がいた。

ただ相方の話を聞くだけなのに。

なんでだろう、と気分の高揚する心臓が身にしみて感じた。

だけど。

スタッフ「光一さん、ちょっと……」

ロケの担当スタッフが、困惑した顔で楽屋を覗いていた。

K「何？何かあったの？」

ス「剛くんの方から、何か連絡ない？？」

K「剛？……いや、珍しく昨日メールで「明日よろしく」みたいなメッセージが入ってたくらいで……」

ス「剛くんのマネージャーとかは……？？」

K「いや、まだマネージャー経由の連絡もない」

すると、エレベーター付近から走ってくるマネージャーの姿が見えた。

マ「光一さん、光一さんっ......！」

K「どないしたん？そんな……」

T『光一、すまん。

ホンマに昨日、突然な、

変に周りの音が聞こえんくなって、

今もおかしいねん。

ちょっと遅くなるけど、そっちに向かう。

詳細は後で。剛』

剛からのメッセージ。

何が起きたか、よくわからない。

音が聞こえない？

突然昨日？

なんだそれ、と思いながら、

スタッフの「今日のロケ、見合わせてみます」という声が

素通りしてしまうような感覚。

俺はただただ呆然と立ち尽くしてしまっていた。