NEWS 小説 (ページ30)

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二十五話　増田ページ30

俺は、さっきから手越が気になってパスタを食べる手が進まなかった。
何かあったら連絡しろよと言ったものの、手越の性格は誰よりも分かっているから、強がって何かあったとしても連絡しないだろう。本当に今、大丈夫かと心配になる。
○「まっすー、食欲ないの？」
そんな声に顔を上げれば、シゲと小山がこっちを見ていた。
「いや、ごめん。考え事してた。」
と言い、パスタを取って口に運ぶ。
○「手越、多分連絡してくれるよ。
手越にとって３８度はとても辛いだろうから…。」
と、シゲが言う。
俺が考え込んでいる間に手越の状態を小山から聞いたのだろうか。
俺の心を読んだみたいに、思いに答えてくれた。
さすがシゲ(メンバー)。
一緒にいる分、お互いに考えていることを自然と分かる仲になる。
▽「うん。」
あれから何事も変化なく俺らは世間話をしながら食べ終わる。
時計を見れば、２時を過ぎたときだった。
ここからは自分が使った食器類を順番に洗い片付け、各自好きなことをする。
小山は朝も見て食べたのに、スイーツ特集の雑誌を読んでいた。
シゲはまた小説の原稿に向き合っていた。
俺は朝、最後に見た上着の特集ページを開いてあのときの続きを見る。