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二十四話　小山ページ28

「はいはい。とりあえず、手越はこれ以上熱が上がれば病院行きだからね。それが嫌だったら、シゲちゃんが作ったこのお粥を食べて薬を飲んでもう寝ること！」
俺は、お粥をビシッと指して手越に言う。
明らかに病院というキーワードに嫌という顔をした手越。
手越は病院が苦手なのだ。
例えどんなに熱が高くても病院に行こうとしない。
流石にやばいと手越が自分で感じたら行くけど、手越のやばいは周りにとってやばいを通り越した最悪な状態なのだ。
今だって普通３８度という熱を持つ人は倒れてしまうもの。
平熱が低い分、手越は相当辛いはずなのに元気に見せようと上半身を起きあげている。
まっすーがいると素直になることが多い。
さっきまで辛いよとか中々俺や多分シゲにも言ってはくれない言葉を出したと思ったら、また頑固になって辛いと言わなくなったみたい。
それにまっすーもほんの少しのお怒り中…笑。
まっすーも俺もシゲも、辛いってちゃんと言葉に出してほしいんだよね。
さっきの辛いよの言葉で俺達は不安になったけど、頼ってくれることの嬉しさもあって良かったなとは思った。
「まっすーは、俺達とシゲが作ってくれたお昼を食べに行こう。」
そう言えば、うんと頷いてくれたまっすー。
(良かった。分かってもらえた。)
「手越、一人で食べられる？」
俺は、手越の頭を優しく撫でて聴く。
その頭も想像以上に暖かくて心配になる。
手越はうんと頷いてくれたため、また何かあれば連絡してとロケ地から持ってきた手越のリュックの中に入っていた手越のスマホをテーブルに置いた。
長居をするとストレスになってしまうし俺らにも風邪がうつる。
それだけは避けたい。
なぜなら、手越が一番責任を感じてしまうから。
優しいんだ…、手越は。
「また来るから。」
そう言い、手越の頭をポンポンと撫でる。
手越は、俺の顔を見てふわふわした笑顔をみせてくれた。
まっすーも「手越、必ず何かあったら連絡しろよ。」と、手越に優しく釘を指して俺と一緒に寝室を出た。
まっすーはツンの多めのツンデレ。
だけど、何年も一緒に居るからわかる。
まっすーが、言葉は強くてもどれだけ手越を心配しているのかは。
テゴマスの二人はお互いに素直じゃないから。
それを考えていたら顔がにやけていたらしく、まっすーに「小山、怖いぞ笑」と言われちゃった。
リビングに入れば、温かい料理の前にシゲがいた。